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とあるβテスター、奮闘する
投刃と少女
とあるβテスター、戦慄する
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プ品などが並ぶ中に、『手鏡』という見覚えのないアイテムが紛れ込んでいた。
怪訝に思いつつもアイテムを実体化してみる。すると現実世界でも馴染みのある、何の変哲もない手鏡が手の内に収まった。

「うーん、普通の鏡だよねー?」
僕の隣ではシェイリも実体化させた手鏡を持ち、首を傾げていた。確かに見た目も手に持った感じも、現実世界で使われている手鏡そのものだ。
だけど、何でこの場でわざわざそんな物を?これが“この世界が現実である証拠”だと言われても、そんなことは―――ッ!?

―――まさかっ!?

不意に脳裏に過ぎった、さっきまでとは比べ物にならない程の“嫌な予感”に、全身にゾクリとした悪寒が走る。

―――ログアウト不可。本来の仕様。ナーヴギア。アバター。脳を破壊。永久退場。仮想世界。私の世界。唯一の現実。証拠。プレゼント。

バラバラになったパズルのピースのように、先程の茅場の言葉が次々と頭の中に浮かんでいく。

―――これは、ゲームであって遊びではない。

最後に浮かんだのは、とある雑誌のインタビューで茅場本人が言った言葉。
頭の中に浮かび上がったパズルのピースが、カチリと嵌まったような気がした。

「うわっ!?」
「な、何だぁ!?」
「キャーッ!?」
次の瞬間、周囲のプレイヤー達の悲鳴が中央広場を埋め尽くした。辺りにいた全員が、次々と白いエフェクトに包まれていく。
当然ながら、それは僕たちも例外ではなかった。

「ひゃっ!?何これ〜!?」
「う、やっぱりか……!」
周りのプレイヤー達を包み込んでいたエフェクトが、僕とシェイリの姿を覆い隠した。
目の前で相変わらず緊張感に欠ける声を出しているシェイリの姿が、白いエフェクトに包み込まれる。
そして、僕の視界は白く染まり───





────────────





「ユノくん危ないよ!前前っ!」
「──っ!?うわっ!」
あの日───“はじまりの日”を思い出していた僕の意識は、背後からの切羽詰ったソプラノボイスによって現実へと引き戻された。
咄嗟に手に持った短剣を水平に構え、眼前に突き出す。ガキィン!という金属同士がぶつかる音が響き渡り、今まさに僕を一刀両断にしようと迫っていた手斧がその進行を止める。
衝撃の重みによって片膝をついてしまい、跪くようなポーズで敵の攻撃を受け止める形となった。

───し、死ぬかと思った……。

危うくニ分割されてしまうところだった。慣れない前衛をやってる最中に考え事なんてするものじゃないね……。
流石に短剣で手斧の衝撃を全て受け止めきれるわけではなく、武器を握った右手がびりびりと痺れる。それでも、スイカ割りのように頭から真っ二つにされるよりは何百倍もマシだ。
早鐘のように脈打つ
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