9話
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がって課長に説明を求めた。
「それでこの特務支援課というのはどういった活動を行うのでしょうか」
「どうとは?」
「いえ、みんな若いですし」
「新設部署なんだ。期待のルーキーだぞ」
「は、はあ」
ロイドは不安が拭いきれずセルゲイ課長にさらに問いかけようとしたのだが、ピピピという導力音が鳴るとセルゲイ課長が掌より一回りぐらいの大きさの物体と会話し始めた。
(携帯型の通信端末か?実用化されてるなんて)
「ああ。ご苦労さん。後始末は任せておけ」
通信を切った課長は課員に向けて簡潔に説明した。
「喜べルーキーども。この特務支援課がなにをするのか体験させてやる」
警察本部を出たセルゲイ課長に案内されたのは駅前通りの外れにジオフロントの入り口。
「お前たちにはここに潜ってもらい魔獣を掃討しつつ最深部まで到達してもらう。これは総合能力を計る実戦テストだ」
「ちょっと待ってください。警備隊じゃあるまいし魔獣退治は警察の仕事じゃないですよ」
ロイドが抗議したのは常識的な警察の反応だった。クロスベルでは都市部での治安維持を警察が受け持
ち、担当するのは人である。魔獣を相手にするのは警備隊の仕事なのだ。
「クク、普通の警察なら確かにな。だが、支援課は別だ。ほれ」
課長は4人にさっき会話していた物体を渡した。
それは戦術オーブメント。しかも見慣れない新型の第五世代エニグマと呼ばれる新機種だった。
「エニグマですね。やっと導入されましたか」
そう呟いたティオにセルゲイはレクチャーを頼むと黒い手帳、警察手帳を3人分と鍵を渡して去って行こうとする。
「そうだ、ロイド。お前がリーダーな。捜査官資格を持つのはお前だけだからな。説明は試験後にしてやるから、じゃあな」
セルゲイ課長が去って4人だけが残された。
3人はロイドに押し付けられたなと同情し捜査官資格があるなら指示に従うと言ってくれて改めて自己紹介が始まった。
お互いに年齢とタメ口がありかなしかの確認が始まったのだが、やはり注目はティオだった。
こんな子供がなぜだという疑問があったからだ。14歳だと説明すると警察官採用年齢に達していない
のになんでいるんだと。
「私は警察官ではなくエプスタイン財団からのテスト要員です。これをテストしに来ました」
腰に付けていた機械付きの杖を取り出した。
ティオが武器を取り出したことでそれぞれが手持ちの武装を紹介することになった。
ロイドは警察学校で習ったトンファー、エリィは趣味で続けていた導力銃、ランディは警備隊の時から使っているスタンハルバートを取り出した。
全員ちゃんと得物を持っていることを確認してとりあえず息が合うのか、どう連携するのかもわからな
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