暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
11*ゆっくりさせてください
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ノルス城の約二倍はあるお部屋です。
ちなみに造りは同じような感じです。
周りには貴族っぽいのが犇めいております。

そんな謁見の間の玉座に座っているのが、燃えるような赤髪の、黒い翼を持つ50歳くらいの男性と、白い翼にこれまた赤い髪の、いかにもマダムな美しい女性である。

男性は王冠とこれまた真っ赤で上質なマントをしている事から考えるに、王様であろう。顔に刻まれたシワが、貫禄を生み出しなかなか渋い顔立ちだ。

女性の方は、緑っぽいドレスを上品に着込んでいる、多分王妃様。
顔は物静かで気品あふれる顔立ちだ。
ただなんか品定めするような眼が嫌だ。

「父様母様、ただいま参りました。」

……誰?
このおしとやかなお姫様は一体誰?

「おぉ、愛娘エリザよ、よく戻った!」

そう言って王様、エリザに駆け寄ろうとするが王妃様に止められる。
ちなみに貫禄は一瞬で消えた。

「またあなたは私に殴られたいのですか?」怖いです王妃様。

「いや、でも久しぶりに愛娘に会うのだぞ?このくらいいいではないか。」

「場所を考えて下さい。今は正式な場なんですよ?」

王妃様つよし、王様形無し。

「うぅ、ではエリザよ、何か報告はあるか?」

「はい、実はこのたび新しく近衛隊へと入れた者を紹介したいと思いまして。」

「…その者か?」

一気に周りの視線が集まる。
緊張してきた。

「はい、この度新しく近衛隊名誉顧問として入りました、長谷川鳴海と申します。以後、おみしりおきを。」

そう言いながらペコリと一礼。

あってるよね?
練習どーりやったんだし。

「そして父様。なんと彼は勇者と覇王の二色のオーラを有しているのです。」

『なんだと!?』とか『馬鹿な、ありえない!』とか周りが騒いでいるのを聞いて、ご満悦な顔の姫と微妙な表情の自分。
だってなんか、血統書尽きの犬的な気持ちになってきたんだもん。

「本当どうか疑わしいなら、今すぐに判別器を持ってきて確かめて見て下さい。」

「……誰か、判別器を持って参れ。」

……またあの球に手を突っ込むのか、やだなー。





結局判別器は前回と同じ反応を示し、それにより自分は二つのオーラを持つということが証明された。

その様子は、めんどいので割愛させて頂く。

「で、父様。お願いがあるのですが。」
「なんだエリザ、言ってみよ。」

なんかなー、この王様絶対娘に甘いよな。
だからこんなんなっちゃったんだな。

「ナルミに上級騎士としての二つ名を与えて欲しいのですが。」

……は?
ナゼニ?

「む、むぅ…。さすがにそれはそうやすやすとは……。」

よし、自分も中二患者が付けるような寒い名前
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