第十話「剣精霊は銀髪少女」
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のイイ笑顔が急に浮かび慌てて却下する。なぜここで出てきた、我が妹よ。
「はぁ……。俺の真名はマハト・ア・クーだ。故あってリシャルト・ファルファーと名乗っているがな。呼ぶならリシャルトにしろ」
「了解しました。ではリシャルト、と」
頷くエストはリシャルト、リシャルト、ご主人様はリシャルトと口の中で俺の名を転がす。
その姿に思わず手が伸びた。
「――? なぜ頭を撫でるのですか?」
「……気にするな」
本物のエストはこれほどまでの破壊力を秘めているのか。
前世の頃から原作キャラではエストがお気に入りのキャラだったが、これほど可愛いとは思わなかった。なんと言うか、保護欲が刺激される。
彼女には保護が必要だ。不思議そうにこちらを見上げコテンと首を傾げるエストの頭を延々と撫で続けた。
† † †
「ところでエスト。君は俺の契約精霊なのか?」
「はい。私はリシャルトの契約精霊」
俺とエストには神威の回路が繋がっている。今こうしている間にも俺から神威がエストに流れているのだ。とは言っても集中しなければ分からないほど僅かな量だが。
「……っ、リシャルトさん! 目を覚ましたんです……ね?」
扉を開けて入ってきたキャロルの声に我に返る。見れば手には水の入った桶を抱えていた。
俺はようやく撫でていた手を止めた。
「ええっと……リシャルトさん? その子は……」
「うむ、それなんだがな――」
戸惑った顔でエストを見るキャロルに説明しようとした時だった。
「リシャルト様が目を覚ましましたの!?」
バン! と扉を開け放ち、リンスレットが入室する。喜色満面の笑顔はエストの姿を目にした途端、固まった。
「な……な、なな、ななな、なーっ!」
そこで俺は思い至った。ベッドの上で男と女が二人きり。しかも女は裸にニーソというある意味扇情的な格好をし、男は女の頭に手を置いている。
ここから導かれるコトは――、
「……まて、早まるな。誤解するなよリンスレット、こいつはだな――」
「こいつは、なんですの?」
「あーっとだな、こいつ、俺の契約精霊なんだ」
それを聞いたリンスレットは低い笑い声を洩らした。
「ふ、ふふふ……なるほど、そうでしたの」
「あ、ああ、解ってくれたか?」
「ええ。よーく解りましたわ。わたくしが心配していましたのに、い、い、いつの間にか、こ、こんな可愛らしい
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