第二十二話「イッセー、強化計画!」
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譲渡によって巨岩サイズの魔力弾は二倍近くの大きさにまで成長したが、レイの拳一つで霧散した。
「くそっ、やっぱり無理か」
やはり純粋な戦闘じゃあレイには叶わないか。
どうするかと頭を悩ませていると、レイは空中に佇みながら自分の右手を見つめていた。見ればレイの掌には小さな火傷があった。さっきの魔力弾の影響か?
「ふむ、ここまでの威力は秘めているのね……。うん、僕に傷を負わせたことだし、ボーナスタイムといこうか」
「ボーナスタイム?」
なんだ? レイにとってのボーナスじゃないだろうな。
カラカラと笑うレイは俺の前に降りてくると人差し指を立てた。
「いいかい、イッセー。ただ闇雲に逃げるだけじゃダメなんだ。それだと足音や呼吸音なんかで自分の場所を教えているようなものだよ。しかも、イッセーの弱点は神器で倍加するまでのタイムラグにあるからね、受け身の姿勢だといつか捕まり倒される。だから時には目眩ましなんかで相手の気を逸らしたり、気配を殺しながら移動する術を覚えなくちゃいけないよ」
うーむ、言っていることは理解できるんだが、気配を殺しながら移動ってどうやってするんだ?
首を捻る俺にレイがほにゃっとした笑顔を見せる。
「大丈夫だよ、イッセー。ちゃんと僕が教えるから。そのためのボーナスタイムなんだよ」
「おお、マジか。そりゃ助かるよ」
「にははー。任せんしゃい任せんしゃい。今から教えるのは『気殺の法』と言って、気配を遮断したまま移動する技術だよ。これを完璧にマスターできるようになれば、相手の前に立っていても気付かれなくなるんだ。こんな風にね」
――っ、レイの身体が透けていく!?
急激にレイの身体が透けていき、やがて俺の眼前から姿を消した! 周りを見渡してもレイの姿が見当たらない!
「とまあ、極めればこんな感じで相手から認識されなくなることも出来るよ」
背後からの声に振り返ると、レイが空間から滲むように姿を現した。
待てよ? この技術を手に入れれば、女子の前でパンツ見放題……? た、体育の授業で揺れるオッパイを目の前で凝視し放題……!?
――俺の脳内で雷が降った。
「先生! 是非とも教えて下さい! 俺に桃源郷をぉぉぉぉぉ!!」
「う、うん……わかったから土下座は止めようよ」
俺の熱意にタジタジだったレイの姿は激レアだったとだけ言っておく。
† † †
レイと修業を始めて三カ月が経過した。レイの意外と懇親
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