前世と終わりと神様と
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何時からだろうか…親父とお袋から虐げられ、考えることを止めるようになってしまったのは…。
三崎暁21歳。俺は今も両親から殴られている。
「俺の仕事がうまくいかねぇのはお前のせいだ!」
親父が殴りながら訳のわからないことを怒鳴り散らす。知るかよ…。
「アンタが居なけりゃ、もっと楽な生活が出来たんだよ!」
お袋がヒステリックな声をあげながら平手打ちをしてくる。
この年まで育てといて…何を言ってるんだか…。そんな事ならさっさと殺せば良かったのによ。
今までは一応こんなでも親だから我慢はしてきたが、理不尽さを増した罵倒や暴力は耐えきれない物となっていた。
「だったら俺を殺せよ…もうテメェら糞に付き合うのも疲れた…」
無意識に発した俺の一言。それが頭にきたのか、親父は硝子の分厚い灰皿を持ち俺の頭目掛けて力一杯叩き落とした。俺の最後に聞いたのは灰皿が頭にぶつかる音と、何かが砕けた音だった…。
「お前は本当に良く我慢してきたな…」
不意に誰かの声が聞こえた。俺は死んだはずだろ?
「ここは…言うなれば死後の世界に。ワシは神様みたいなものじゃな。」
自分を神様と呼ぶ存在は、俺の思考を読んだかのように語り続ける。
ふと回りを見回すと、その神様らしき老人が居た。
「別に…あんなのでも親だし…」
「ワシなら御主の五倍は早く自害するの。」
「随分堪え性のない神様だな?」
「…御主が凄まじいだけじゃて。さて、そんな御主に少しだけ褒美をやろう。…生まれ変わったらなにがしたい?」
「生まれ変わったら…?んなの決まってる。両親は居なくて、尚且つ家族が欲しい。」
「ほほぅ。面白いことを言うのぅ。御主の事じゃ。血の繋がった家族ではないほうが良いのであろう?」
神様の言葉に俺は驚いた。俺が付け加えて言おうとしたことを、見事に言い当てたのだ。
「あ、ああ…でもそんなのは夢物語しかならないだろ?現に俺がアンタと話してることも現実じゃねえかもしれねぇし…」
「ワシと話してることも、これから生まれ変わる先も現実じゃ。」
「…本当に、日常が手に入るのか?そんな夢みたいな…」
「御主の言う日常に、少々ばかり非日常を加えるがの。御主の新たな生き方を見て、ワシが楽しむのじゃよ。」
「結局自分の為かよ…」
「じゃが、そのような生活が欲しくはないか?」
「…欲しい。」
俺は素直に頷いた。
「よろしい。ならばこれに名前をつけるがよい。そなたが生まれ変わった先で使うデバイスじゃ。」
「デバイス…?」
神様は深紅の首飾りを俺にかけると、名前をつけるように言ってきた。まさか……
「俺の転生す
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