暁 〜小説投稿サイト〜
形而下の神々
ナツキ・エンドーと白い女神
天才傭兵グランシェ
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うかそもそもそういう一癖ある人間の方が魅力的だったりする。
 するとグランシェは適当に謝ってからまた本題に入った。

『まぁ要するに、敵の弾丸避けに置かれた土のうをブッ壊したり人を殺傷するには充分なんだ。
 しかも!!こいつは簡単には爆発しない。簡単な処理さえすれば、500℃近い熱量がなきゃスコップで殴ったりしない限り爆発しねぇんだ』
「スゲー武器って訳だな」

 軍事オタクかお前は……って、軍事オタクでもなければ傭兵なんかにはならないか。
 グレンシェは日本人ではないが、別に傭兵にならなきゃいけないほど貧困していた訳でもなかったはずだ。しかし傭兵の道を選んだ理由は教えてくれない。
 彼はよく喋るがあまり自分を語らないのだ。

『あぁ、しかも簡単に作れる。投石の兵隊に混ぜて、TNTを投げる兵隊を配置するんだ。そしたら次は火炎瓶。流石に燃えたら爆発するからな。で……』

「ドッカーン!!って訳だな?」

『そう。その通り!!ただここからが面白いんだ!!
 敵はTNTの存在は知らないからただの火炎瓶を爆発する瓶だと思い込む。だから今度はただの水の入った瓶を大量に投げるんだ!!

 一回しか使えない騙し撃ちのトラップさ。でも敵は見事に引っ掛かった!!
 熟練した敵兵は無理だけど、まだ若い敵兵はもう大混乱さ!!そしてそこに銃器を持った兵隊が一気に攻め込む!!
 厄介な敵の土のうは弾け飛んでるし、兵は混乱してるしで圧勝だったぜ!!』

 こ、怖ぇ……。ぶっ飛んだ作戦で相手をブッ飛ばしたって感じだな。

「それにしても中々ふざけた戦略だけどな……」

『ま、こんなユニークな戦法を自軍のボスが気に入ってくれたのさ。
 それで今は彼の家、パリに来てるってワケ。スロバキアの軍の大将はパリ住みだとさ。フザケてるよな全く……』


 少し寂しそうな物言いで幕を閉じたグランシェの戦争話は全て真実だ。
 戦争の話を面白おかしく話す彼だが、いつも最後は少し寂しそうに話を終える。傭兵という、ある種狂気の極みに近い職業を生業にしている分、彼は誰よりも命の重みというやつを痛感させられてきたのだろう。
 そういう人間的な深みも、また彼の大きな魅力であったりする。

「で?そろそろ本題に入らないか」

 が、勝手にナーバスになられても正味電話口で困るのは俺だ。そこで素早く話題を切り替える。

『あぁ、忘れるトコだったよ。本題ってのは手短に済むぜ?』

 受話器の向こうで軽い深呼吸が聞こえた。

『お前さんの探してたホワイトゴッデス。白い女神の像が大量に見付かった』
「なにぃっ!?今じゃ何千年も昔のそんな偶像、滅多に有るもんじゃないぞ!?」

 ホワイトゴッデス。真っ白い石に彫刻された白い女神の宗教の偶像的な
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