―妖怪vs大天使―
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の背後にそびえ立ったヴァルハラへと門を開いた。
「《神の居住−ヴァルハラ》を発動。《大天使クリスティア》を特殊召喚する」
《貪欲な壷》によってデッキに戻したのだろう、再び門から遊矢の切り札である無慈悲な天使が、光とともに特殊召喚された。
「バトル。大天使クリスティアで火車に攻撃」
「《和睦の使者》を発動する!」
攻撃表示の火車が破壊されて敗北することは避けられたが、またも特殊召喚封じの大天使クリスティアが召喚され、もう三沢には《マインドクラッシュ》や《閻魔の裁き》のようなカードはない。
「ターンエンドだ」
「俺のターン……」
このデュエルも、お互いのライフを考えると終盤戦となって三沢のライフも手札もデッキも限界を迎え、一枚だけあるリバースカードも特殊召喚する関連カードであったので、大天使クリスティアの効果によって発動すら不可能となってしまっている。
「……三沢」
デッキからカードをドローする直前に声をかけられて顔を上げると、遊矢が人形のようだった瞳ではなく、いつもの遊矢へと戻っているように見えた。
「自分と、その自分が組んだデッキを信じろ――そうすれば、デッキは応えてくれる」
遊矢はそう一言言葉を絞り出すと、先程までの洗脳された人形のような瞳へと戻ってしまう。
その言葉を聞いて、三沢は遊矢らしいと思うと共に羨ましいとも思った。
それは凡人である自分には、カードと頭脳で補うことでしか到達出来ない境地だろうから……かつてカイザー亮は、遊矢と【機械戦士】のことを『デッキに入っているカードを全て理解し、信頼し、組み合わせることでどんなに強いモンスターをも倒す』と例えたらしいが、的を射ていると自分でも思う。
「……ドロー!」
だが自分とてこの【妖怪】デッキを信じていない訳がなく、ただデッキを信じてカードを引いた。
そして、引いたカードとは。
「俺は《スピード・ウォリアー》を召喚!」
スピード・ウォリアー
ATK900
DEF400
『トアアアアッ!』
力強い雄叫びをあげながら、デュエル前にレイから託された遊矢のフェイバリットカードが召喚された。
絶望的な状況からの《スピード・ウォリアー》を使っての逆転劇は遊矢の領分であるが、彼のデッキの精霊とやらが力を貸してくれたのだろうか。
「《ミニマム・ガッツ》を発動! 火車をリリースし、大天使クリスティアの攻撃力を0にする!」
アンデット族モンスターを展開する三沢のデッキには、《ミニマム・ガッツ》の効果条件を満たすことは容易い。
《大天使クリスティア》はその効果によって遊矢のデッキトップに戻ってしまうため、《ミニマム・ガッツ》による効果ダメージは望めないが、攻撃力を0に
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