開幕
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た分以外は減少していなかった。時折、本音もガトリングガンの弾を撒き散らしているのだが、いっこうに当たらない。
しかしこの状況、裏を返せばシャルロットは決定打を打てないでいた。逃げに徹した相手を捉えるのは楽ではない。
「完全に時間稼ぎに徹するつもり?」
ここまであからさまに逃げ回っていれば嫌でも気付く。
「ん〜。やっぱりばれちゃったか〜」
相も変わらず、のんびりした声が返ってくる。
「切嗣を助けに戻らないで良いの?一度戦ったけど、ラウラは強いよ」
コンビネーションは皆無とはいえ、流石にお互いの実力を一切知らずに戦いに挑む愚は犯さず、3日前に二人は模擬戦を行なった。結果は、シャルロットの完敗だった。ラウラにダメージらしいダメージを与える事が出来ず、AICの防御を突破出来なかった。幾ら、切嗣のISが常識はずれとは言え、完璧で無いにしろラウラは必ず対策をたててくる。
「だいじょ〜ぶだょ」
しかし、そんな忠告を本音は杞憂だと言う。
「だって、切嗣は勝つって言ったから……」
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空で一方的な戦いが広げられる中、地上でも死闘は繰り広げられていた。
左手で持ったキャレコから吐き出された弾がシュヴァルツェア・レーゲンを襲う。
「そんな豆鉄砲が効くとでも……」
AIC――「停止結界」とラウラが呼ぶそれは、運動エネルギーを限り無く0にする規格外の盾だ。だが、彼女は其れを滅多に使わない。確かにそれは絶対の武器だが、使用者に極度の集中力を強いる。最大の武器だが、同時に最大の弱点でもある。故に、ラウラは切嗣に対してAICを使う予定は無かった。一見すれば、AICを展開するほどの火力が在るとは思えなかったのもあるし、何よりこの男の前で弱点をさらすのは避けたかった。
切嗣が放った弾はAICを展開するまでも無く鉄の鎧に弾かれる。しかし、それに構わず切嗣はキャレコを撃ちながら、もう片方の手に新たな武器を呼び出した。切嗣のIS「シルバームーン」の武装の一つ、コンテンダーだ。嘗ての人生で切嗣を救い、多くの血を啜った血塗られた銃。切嗣は其れを右手で持つと、躊躇い無く引金を引いた。
魔銃から弾丸が発射される。50メートル近くある距離を弾は一瞬で駆け抜け、シュヴァルツェア・レーゲンの機体を吹き飛ばした。
「がっ……!?」
声に為らない悲鳴がラウラの口から漏れる。観客席からも驚愕が聞こえた。それはそうだろう。ISがハンドガンで吹き飛ばされたのだ。在っていい筈が無い。
「何が……?」
観客席から、当然の疑問が湧き出る。
確かに切嗣が撃ったのは魔弾に非ず。されど、魔術師としての誇りを持たない彼には科学技術の叡知を集結させた弾丸を使用することに躊躇いは無い。
使ったのは「加速弾」と呼ばれるものだ。初速度を犠牲に加速度がほぼ指数関数的に増
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