開幕
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下さい」
それは刹那の様な時間でありながら、果てしない闇の彼方へ堕ちていく様な永劫を感じた。
しかし、永遠など存在しない。開幕のブザーは無慈悲にアリーナに響き渡った。
ブーと少し間の抜けた音が鳴り響く、と同時に四人は動いた。
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「……」
シャルロットは無言で連射式の近接型ガトリングガンを構え、ラウラはワイヤーブレードを展開した。このチーム、唯一の欠点は「一人一人の技量が高すぎる」事だ。つまり、タッグ戦をするには多少我が強すぎるのだ。故に、彼女達は試合前にたった1つの作戦をたてた。相互不干渉――要するに、1対1の状況を作り出したら、以後原則的には手助けはしない。するにしても援護射撃に留める程度の話。
これではタッグ戦のメリットを活かせないと言われるかもしれない。しかし、あながち悪手とは言えない。セシリアと鈴音の二人がラウラに挑んだ際の一番の敗因は、タッグで挑んだ事だ。お互いに長所ばかりを潰し短所を際立たせる事だって、意志疎通が十分で無いならあり得る。そんな最悪の事態を避けるための作戦だ。最善では無いが、最悪からは程遠い。それについて当初の予定では切嗣をラウラが、本音をシャルロットが対処する筈だった。多くの生徒もラウラとシャルロットがペアを組むと聞いたとき、その方針をまず思い付いた。その予想は的中し、現にその作戦が実行されようとしていた。
なので、魔術師殺しは遠慮なくその作戦に乗らせて貰った。
「なっ……!」
その悲鳴は誰のモノだったか。
切嗣の作戦通り、『もし、ラウラとシャルロットが個人戦に持ち込もうとした場合』……
布仏本音はガトリングガンの弾を撒き散らしながら逃走を開始した。
『布仏本音は全力でシャルロットから逃げるように』は恙無く実行された。
「……いけ、シャルル!」
苦々しそうにラウラが指示をとばす。この闘い、切嗣が恐れていたのは死角からの狙撃だ。ラウラと戦うなら他に気を割いている余裕など無く、援護射撃などが加わった暁には万に一つも勝ち目は無い。故に、個人戦に持ち込むなら徹底した1対1にする必要があった。その思惑に二人は気付いただろう。だが、乗らざるを得ない。二人で切嗣に挑む時、狙撃されるのは自分達だ。本音を放置する事は出来ない。そして、シャルロットは空に羽ばたいた本音を追うため飛翔した。
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高速移動をしながら、シャルロットは目前の敵に弾を送り込む。
「やっぱり……」
玉の殆どは本音を直撃する。試合開始から五分間が経過しようとしており、本音のIS「打鉄」のエネルギーは既に半分をきっていた。当然だ。何のフェイントも無く、直線的に翔んでいればかっこうの的だ。
一方のシャルロットのIS「ラファール・リヴァイヴ・カスタムII」のエネルギーは移動する際に使用し
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