ALO:フェアリィ・ダンス〜両刃の剣と天駆ける龍〜
いざ、妖精郷へ
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ー。もう一度、今度は詳しい説明を聞きながら、清文は意識を切り替えていた。
SAOで《勇者》と呼ばれたプレイヤー、セモンのそれへと。
プレイヤーネームやログインIDはSAO時代のものを流用。初期装備には刀を選択、種族は事前に琥珀と打ち合わせしていた通り、《風妖精シルフ》を選択。
この世界で初めて触れることになる《魔法》。それに対する得手不得手もかなりバランスが整っているこの種族は、セモンにとって理想的と言えた。
『ゲームは種族のホームタウンからのスタートとなります。幸運を祈ります、セモン』
そういって、闇は晴れ――――――セモンは、大空をゆっくりと落下していった。
*
ALO内では、学生のプレイヤーなどに対する配慮の為、ゲーム内の時間と現実の時間がかみ合っていない。これは、時間によって出現するモンスターが変わるエリアを、その時間帯にログインできるプレイヤーのみに独占させないためのものであるという。
そういうわけで、午後三時あたりにダイブしたはずだったが、内部はまるで早朝のようなすがすがしい光に満ちていた。
翡翠色のシルフ領首都《スイルベーン》もまた、その光を浴びて一層美しく輝いていた。現実が休日の午後、と言うこともあって、ダイブしているプレイヤーは多いようだった。
中央広場の噴水の前に、一人の女性プレイヤーを見つけた。見るからに初期装備と言った感じのチュニックに、背中には長いスピアがおさめられている。髪の毛の色はシルフに多いのだろう金をベースに、どちらかと言うと茶色身が勝った感じの色をしている。現実世界の琥珀の髪の色を、もう少し金色に近づけるとあんな感じだろう。偶然にも髪型はSAO時代と変わっていない。
「コハク!」
セモンは彼女に声をかける。振り向いたコハクは――――とても驚いたような顔をして、続けて、大爆笑し始めた。
「・・・?ど、どうした?」
「ど、どうしたって・・・セモン、もしかして自分の容姿見てない?」
コハクに言われるまま、セモンは背後の噴水のため水を覗き込み・・・
「な、なんじゃこりゃぁ!!?」
と、大声を上げた。
きっちりと撫でつけられた髪の毛。色は依然と同じ明るい茶色だが、なんと肩あたりまで届く長さなのだ。加えて、かなりの女顔。
<i510|8936>
もともとセモンは女顔である。しかしいかんせんぼさぼさの髪型は、男にしかみられることはない。
しかしこうなると・・・女に間違われる可能性もなくはない。
――――――追加料金払って外見変えてもらおうかな・・・。
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