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年?」
あたしは葛葉を抱きしめて頬を葛葉に擦りつけた。
そっか、葛葉はもう3歳になったのかぁ・・・。
「葛葉おいで。ちゃんとありがとうって言わないとだめなんだから」
あたしは屋敷近くにある古臭い一軒家の戸をバンバンと叩いた。それだけでもう壊れそうに撓んでいる。
「たのもーっ!!たーのーもーーーーっ!!!」
「瑠螺蔚ちゃん」
がたがたと音がして、立て付けの悪い扉が開くと、苦笑いの葉先生が頬を掻きながら出てきた。
「入ってくるときに『たのもー』はないかな・・・・」
「だって、この前誰かがそう言いながらおっきい屋敷に入って行くの見たよ」
「それはきっと道場破りと言うものじゃないかな?普通に家に入ってるのとはちょっと違ってね・・・」
「ま、いいよそんなのどうでも。それより見て、よーせんせー!!!」
あたしは葛葉をぐいっと前に押し出した。
「お、葛葉じゃないか。良くなったのかい?」
「うん!よーせんせーのおかげだよ!葛葉!挨拶!」
葛葉が恐る恐るといった感じで葉先生の足の端っこの方に頭をこすり付ける。
「葛葉は本当に・・・・照れ屋というかなんと言うか・・・・。瑠螺蔚ちゃん以外にあまりなつかないねぇ・・・」
葉先生が葛葉の頭をぽんぽんって叩いた。
「お母さん離れできなくて困ってるの。よーせんせーお母さん離れできる薬とかない?」
「それは・・・流石にないかな」
苦笑いした葉先生の手をあたしは握った。
「瑠螺蔚ちゃん、今日も行くのかい?」
「うん」
「まいったなぁ・・・今日はちょっと用事があってね・・・・。薬草採りはまた明日にしよう?」
「えー」
「今日は縁側で日向ぼっこでもしよう」
「んー・・・・いいよ。日向ぼっこは葛葉も好きだし」
あたしも好きだし。
葉先生のうちの小さな庭はやさしい葉先生の性格がそのまま出たような、のんびりできるところで、あたしはここが凄く好き。
葉先生は膝にあたしを乗せて、いろいろな話をしてくれる。
薬草のこと、薬のこと。あたしが知りたいこと、何でも、葉先生は知っていた。
これとこれは一緒に食べちゃ駄目、こっちは食べれるけど、こっちは食べられないから注意して、今日市で可愛い赤い簪を見つけたんだ。瑠螺蔚ちゃんに似合うかと思って。でもお金がなかったから
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