投刃と少女
とあるβテスター、幽閉される
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ていたホラー映画の内容を思い出し、軽く身震いしてしまう。
いやいや、何考えてるんだ僕。VRMMOでそんなことあるわけないじゃないか。
それに何かのイベントだとしても、プレイヤー全員が強制参加させられるわけじゃないだろうし。何ならスルーすればいいだけのことじゃないか。
そう結論付け、余計な思考を頭から振り払う。
「ユノく〜ん?どうしたの?」
「……ん、何でもない。まあ特に気にしなくても―――」
「ひゃっ、何これ?」
いいかな、と続けようとした僕の言葉は、シェイリの呆けたような声によって遮られた。
「――っ!?」
僕とシェイリの身体が、青白いエフェクトに包まれる。
これは『転移結晶』と呼ばれるアイテムを使うことによって起こる、プレイヤーがテレポートする時のエフェクトと同じだ。
だけど。僕もシェイリも、結晶アイテムなんて使っていない。
つまり、これは……
―――強制転移……?
一体何が?と頭で考えているうちに、視界が暗転した。
続いて転移した瞬間特有の、ふわりとした浮遊感が僕の身体を包み込む。
SAOをやっていると嫌でも経験することになる感覚。だけど、僕は未だにこの感覚が苦手だった。
上昇していたエレベーターが停止する寸前の、あの感覚に近いものがあるからだ。
昔から乗り物全般が苦手な僕にとって、この瞬間は何ともいえない不快感を伴う。
「ユノくん、大丈夫?」
「な、何とか……」
一緒に転移させられたシェイリは特に問題ないらしく、心配そうな表情で僕の顔を覗き込んできた。
心の準備ができないうちに強制転移とか、ほんと勘弁してください……。
人の気も知らずに強引な手段を取った運営に心の中で恨み言を呟いていた僕は、改めて転送先の風景を見回した。
―――あれ?ここは……
SAOに初めてログインした時、最初に見た風景。それから今に至るまで、何度も見た風景。
ゲーム開始直後のスタート地点、『はじまりの街』。ここはその中央広場だったはずだ。
「おい、何なんだよこれは!」
「イベントか何かかー?」
「そんなことよりログアウトできねぇよ!」
「何だ何だ?何が起こってるんだ?」
「バグ直すのにいつまでかかってんだよー?」
「運営仕事しろ!」
ざわざわ、がやがや。
僕たち以外にも強制転移させられたプレイヤーが大勢いるらしく、広場は人気バンドのライブ会場もかくやといった喧騒に包まれていた。
改めて見ると、これだけの人数がSAOにログインしてたんだなぁと感慨深い気分になってくる。
―――って、あれ?何か今、聞き捨てならないことを聞いてしまったような……?
「あ、ほんとだ。ログアウトボタンが見つからないや」
「!?」
―――何ですとぉ!?
呑気に言ってのけたシェ
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