暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic1-Bたとえ再び君たちに逢えるのだとしても〜Wheel of FortunE〜
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うと決まれば――ぐへっ?」

サバイバル上等と決意し、いざ出発しようとしたところで、何かが落ちてきたのか頭頂部に途轍もない衝撃が。子供の体の所為で踏ん張りが利かずにそのまま転倒。「痛たた・・・」頭と首を押さえながら体を起こす。

「ご、ごめんなさいルシリオン様!」

「マ、マリア・・・?」

空より聞こえてきたマリアの謝罪。ふと目が行くのは舗装された石畳の上に転がっている青色のボストンバッグ。どうやらアレが私の頭を襲撃した犯人のようだ。首をポキポキ鳴らしながら近づく。マリアが「その中に、これからの生活に必要な物を容れておきました」と教えてくれた。おお、至れり尽くせり。土下座で感謝してもしきれないぞ、マリア。

「ありがとう。どれどれ。中は一体何が入っているんだ?」

中身を確認してみると、「あれ? これだけか・・・?」入っていたのは財布と預金通帳と身分証明書となりそうなカードが数枚収められたホルダー、そして薄いカードで、コレは次元世界での通信端末だ。馬鹿な。私の頭にヒットした時の衝撃力からしてもっと重い物が入っていなければおかしい。ボストンバッグを逆さまにして振るうが、それ以外は何もない。

「まぁ、いいか。財布の中身は・・・5万円。この姿で持つには結構な金額だな。それに通帳、か。10万もあればそれなりに・・・・ぶふっ!? に、に、2億円だと!?」

正確には2億3千9百万。そのふざけた金額に目が飛び出そうになった。高給取りか宝くじを当てないと滅多に見られない数字が、私に与えられた通帳内に記されていた。すぐに「マリアっ、こんな金額、どこで手に入れたっ!?」2億円の出所を問い質す。姿を見せないためにどんな顔をしているのか判らないが、無言が続くとなると何か後ろ暗い手段で手に入れたに違いないと思えてしまう。

「なあ、マリア。まさか干渉能力で創り出した偽物・・・だったりするか?」

干渉能力で創ったならもう本物と言ってもいい。偽造防止の為の技術――透かしやインク等を完璧に模すことが出来るからだ。だから使っても100%バレることはない。が、私に罪悪感をもたらし、最悪精神崩壊の結末に至らせる。そんな物を私が使えるわけもなく。だから「すまない。この金は使えない」返そうと思って通帳を空に掲げる。

「そうじゃないんです! えっとですね・・・それ、何と言いますか・・・」

「歯切れが悪いな。偽物じゃないんなら怒らないから、どうやって手に入れたか言ってみろ」

優しく語りかけると、マリアは意を決したように言葉を紡ぎだす。

「この150年。私が何もせずにルシリオン様の可愛らしい寝顔を見ていただけと思いますか?」

「・・・・。(ま、男が寝顔を見られたからと言って怒らないが・・)で、何をしていたんだ?」

「・・・
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