第一物語・後半-日来独立編-
第二十五章 目指す場所へ《1》
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の発言で覇王会の周りに多くの映画面が表示され、映る者が皆それぞれ、早くしろだの、ちゃっちゃっとやれだの言ってくる。
そんな映画面を即座に覇王会の者達は叩き割り、通信不可能にした。
「たく、あいつらハイテンション過ぎて楽しそうだな! 覇王会辞めようかな……」
「長を簡単に辞めるな」
セーランの冗談に飛豊が付き合う。
停止した風景を視界に映し、何かを確認するようにネフィアは空を見た。
「しかし何故でしょう、黄森方に動きがありませんわ。こちらの動きが停止したというのに」
「何もしなければそれでいいが、何か企んでいるのか?」
同じくルヴォルフも空を見上げる。
黄森の戦闘艦は特に何もせず、ただその場に止まっているだけだった。
それに不気味悪さを感じ、セーランは判断を下す。
「しょうがねえ、ここは霊憑山を越えてく形で行くか」
「いいのか?」
「ここで戸惑わせること言うなよ飛豊。何もしない戦闘艦がきな臭いからな、何かされる前に動いた方がいいだろ。おーい、“日来”さーん」
『はい、“日来”さんです』
「今から宇天の長救いに行くから、霊憑山を越えて一直線に辰ノ大花に行く形で頼むわ」
『了解致しました。それでは本船は霊縹山を越え、辰ノ大花へ一直線に航行致します』
言い、日来が動き始めた。真っ直ぐ霊憑山に向かって。
一度動きを停止したため速度に乗れず、重いものを力一杯押すように日来は前に進む。
景色が動くのを確認するように見たセーランは、確認が終えたように顔を戻し、
「レヴァーシンク、覇王会専用の映画面を宣伝形式で頼む」
「了解。今後の動きを皆に伝えるんだね」
頷き、レヴァーシンクが表示した映画面の前に立つ。
撮影開始まで、と時間が表示されそれが0になると日来に警報が鳴り響いた。しかしそれは異常を報せるものでも、会議を報せるものでもない。
覇王会専用の警報だ。
学勢院のチャイムを加工したものが鳴り響き、鳴り終わるころ日来全土に大型の映画目が表示されている。
そこに映るのは覇王会会長、幣・セーランだ。
●
彼はにやりと口を曲げたまま、閉じていた口を開く。
『皆さんご存知の覇王会会長ヶ長、幣・セーランだ。俺達はこれから辰ノ大花に行って、そんで今日この世から解放される宇天の長を救出しに行く』
日来住民は彼の声を聞き、今後の動きを確認する。
これから自分達も関わることを、救うことを決めた彼の意志を皆は聞こうとした。
『これは日来を残すため、日来の力を神州瑞穂に宣伝する役目も持つ。更にはこれが上手くいけば辰ノ大花の協力を得られるかもしれないんだ。でも本音は告白しに行きたいだけ。フラれたのは一回だけだし、なに気にするな。これでフラれたらもう諦めるさ。
それに……皆知ってるだろ、この世
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