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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十五章 目指す場所へ《1》
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いた程度でもかなりの距離を動いているので、既に船首はほぼ北に向けている。
「ところでセーラン、やっぱり霊憑山を越えた方がいいんじゃないか? ここはいち早く宇天長を救出した方がいい、山神には後で奉納品を納めることで許してもらえば」
「う――ん、朱鳥天が面倒なんだよなあ」
 ここでセーランは視線を社交院へと向ける。
 じっと見つめて、こちらは何もせずに彼方の反応を待つ。
 セーランの意志が伝わったのか、負けた葉木原はため息を付いた。
「私達社交院では数分、時間を稼ぐ程度しか出来ないぞ。魔法師達もいるにはいるがそっちのとは劣る」
 首を上げるような動きでマギトを指す。
 ははは、と頭に手をやりマギトは笑いながらもう片方の手を左右に振った。
「日来には元々空中戦力が欠けている。出来るならば地上戦に持ち込みたいものだが」
「なあ“日来”さん」
『はい、何用ですか?』
 困ったセーランは答えを出すべく、この船のことに歳も詳しいであろう“日来”に問い掛ける。
 宙に浮いている映画面に映る“日来”が真っ直ぐ前を向き、こちらの質問を待つ。
 頭のなかでこれからのことを整理し、整った後にセーランは問う。
「この日来って霊憑山から辰ノ大花まで最短どんくらい掛かるんだ?」
『そうですね、何も邪魔も無く故障も無ければ約十数分程度だと判断出来ます』
「もし朱鳥天と戦闘した場合は?」
『私のメモリーに記録されている朱鳥天の戦力データから予測するに、あらゆる事態を計算したところ三十から四十五分です。しかし、これはこちらが戦闘を主としたかった場合の計算なのでお間違えなく』
「戦闘を本気でやったらどうなるか分かる?」
『日来は落ちますね』
 きっぱりと言った。
 機械人形には感情が無いので、思ったことを変化させずにストレートに相手に伝える。機械人形が信用を得る理由の一でもある。
 今欲しい情報を包み隠さず伝えてくれる。戦闘をサポートするその実力は本物だ。
 そうか、と思っていた通りの結果にセーランは頭を悩ます。
「海側から行っても待ち伏せされるからなあ。困った困ったー」
「真面目に考えろ。どちらにしろ戦闘が発生するのは違いないな」
「その戦闘、宇天の長救出までずっと続くよね」
 レヴァーシンクが高い確率の今後を予測する。
「防御系加護で足止めでもしていたらいいんじゃないかな?」
「それは無理だな、加護も流魔を通して行われる。今までは流活路から流魔を引っ張ってきたが、空中にいてはそれは難しい。宙を移動するならなおさらだ」
 ニチアの案をアストローゼは否定する。
 日来が霊憑山に船首を向け、その場で動きを停止させる。
『本船は今後の動きが決定するまで待機状態となります。皆様に迷惑が掛かりますので早く判断しやがれ覇王会、です』
 こ
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