暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十五章 目指す場所へ《1》
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 変形の音が鳴るなかで、一人の機械人形の声が聞こえた。
 宙に浮いてある映画面|《モニター》に映る“日来”だ。
 視線を真っ直ぐにし、こちらを見ているようだ。
『ドッキング位置に全区域移動完了と判断出来ます』
 “日来”は別に表示してある映画面を見て、区域の位置を把握する。
 二十ある区域は三列に確かに並び、真ん中に四区域、左右に七区域、それらの区域の間に左右一区域と別れている。
 その全ての区域が長方形の形をした一つの巨大な航空船と化し、ドッキングのときを今か今かと待っている状態だ。
 拡張空間は最後のパーツを収納し終え、ぱっくりと開いた口を閉じるように徐々に穴を閉じていった。
『それではドッキング作業へと移ります。各区域担当の機械人形は、ドッキング対象の区域との意志疎通をお忘れなく。
 では、始めて下さい』
 再び区域が動き始めた。
 自分達がいるこの区域も、鼓動が動き始めたように振動しその後ドッキングへと向かう。
 ドッキングは単純な作業だ。連結させる区域と区域を合わせるだけだ。
 黄森の方には動きは見られない。防げないと諦めたのか、それともこちらの隙を伺っているのか。
 何にしろ動きが無いのならば、邪魔の無い内にことを進めるのが得策だ。
 自分達がいる区域は真ん中の列の三番目で、連結するのはその後方四番目の生産区域だ。
 空いていた間隔が縮まり、連結パーツが合わさり一つの船へと変わる。
 他の区域よりも上空に浮かぶ生産区域の二区域以外は二つ以上の区域と結合し、二十もあった区域は今や八隻の船へと変わった。
 各船への間隔はあるものの、地上に存在していた時よりも全長は大きく、今までひっそり存在していたものが今や威風堂々とその存在を示した。
 誰しも目を引くその巨大さに、戦闘艦に乗員している黄森の隊員は驚いた。
 自分達の戦闘艦が小さく見える程の大きさ。考えられない程の、視界に映るっているものを疑うように目を閉じたり開いたりした。
「……ば、馬鹿な」
 黄森の隊員の誰かが言った。
 目に見える日来は地上に存在していたものとは別で、完全に船へと変形を完了している。
 だが、驚くのはそこではない。何度も感じた異常な程の大きさに、彼らは圧倒された。
「信じられん、あの日来が」
「報告します! 上空にいるワイバーン級戦闘艦からの報告により現日来の全長は、十五キロを越えています!」
「何だと!? あのラグナロク級戦艦であってもそこまではなかった筈だ」
「日来の武装チェックで異常が無かったから安心していたのが間違いだった」
「馬鹿言え、拡張空間は保有している神の許可無しでは現実空間と繋ぐことは出来ない。それに拡張空間は現実空間とは訳が違う。内部を確認しになかに入ったら消息不明になった事例も何件もあるんだぞ」

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