間幕
彼が荒野に至る理由
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、魔王フルーレティの治めるこの国の人口は、約7割がゴブリンと呼ばれる妖精である。
彼等の主食は牛乳であり、肉、魚、野菜なども食べることには食べるのだが、もっとも好むのは乳製品であった。
そのあたりは、スローフードの探求でアイルランドを訪れた際に聞いた元の世界のゴブリンたちの伝承とそっくりである。
彼等もまた、報酬として皿に一杯の牛乳を求めるという逸話があったはずだ。
ところが……さらに詳しく文化を調べて解ったことがあった。
こともあろうに、彼等は料理というものをほとんどしない生き物だったのである。
牛乳をそのまま未加工で飲むことがほとんどで、わずかに作られている乳製品も、せいぜい未発酵のバターやチーズを作るぐらい。
麦を殻ごと頬張り、生肉をショートソードで切り分けて直接手渡しで食べるスタイルは、初めて見た瞬間に思わず卒倒しそうになった。
あとは一部の地域でヨーグルトという噂はあるのだが……根本的に食料を加工する文化が無い……魔族とは、まるで未開に住む人々よりもさらに低い食文化しか持ち合わせていない人種だったのである。
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