外伝その一〜海鳴市・前編〜
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あれよこれよと準備は進み、現在副隊長を除くスターズ、ライトニングの両分隊とリィンフォースとライは海鳴市の土を踏んでいた。
しかしそこからがライにとっての想定外であった。ライは今回の任務に参加できない為、他のメンバーが任務をこなしている間が自由行動になる。任務の説明を終えて、行動に移す際にライはなのはの両親が経営する喫茶店『翠屋』で待ち合わせすることを話し合った。そしてなのはが「ライ君のデバイスにここに来る前にここのマップデータを転送しておいたから。」と言って、その場は一度解散となった。
その後、ライは皆と別れて歩きだしたのだがここで1つ思い出す。今回ライは民間人としてここに来ている。その為、管理外世界を訪れる際にはデバイスの持ち込みを申請しなければならないのだ。しかしライのデバイス、蒼月は完成したばかりでまだデバイスの携行許可申請をしたばかりなのだ。その為、今現在ライは蒼月を持っていない。
ライ「………しまった。」
自分が今、見慣れぬ土地で、何も持たずに、たった一人でいることに気付いたライはため息をつくようにそう呟いた。
海鳴市(現在)
ライ「ハァ……」
数十分前の自分の迂闊さを思い出しライは再びため息をつく。
ライはとりあず歩き回り、頭の中で地図を描いていっていた。だがいくら地形を把握しようと目的地が分からなければどうしようもないのだ。
ライ(少し気が緩んでたのかな?……それともルルーシュのうっかりが伝染ったかな?)
迷子になっているのに本人が聞いたら即否定しているだろうことをライは考えていた。
頭の中でまとめた地図を確認しながらまだ歩いていない商店街を歩く。歩きながらライは周りの風景を見ながら物思いにふけっていた。
ライ(この世界の日本は………こうも平和なのか。)
元の世界の日本でライが求め、そして見ることが叶わなかった理想がそこにあった。
ただ無邪気に笑い合う子ども。
自分達の身近に死の気配が存在しないことを当たり前のように思っている大人たち。
それを不抜けているとライは思わない。これが普通の平和な世界と感じるのが正しいのだ。この世界では自分のような戦いに染まっている人間のほうが異端なのだ。そう考えるライは少し寂しさを感じると同時にこの世界のような存在を尊んだ。
ライは一度頭を振り、思考を切り替えながらこれからのことを考え始めた。
ライ(交番は……ダメだな。僕にこの世界の戸籍は無いし、そもそも今、身分を明かせるものもない。不審者として拘束されるのがオチかな。)
ライは自分の現状を再確認しながら思考をまとめていく。
ライ(魔力を辿って誰かに合流……いや、任務に関わった可能性を示唆する行動そのものが残るのがマズ
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