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SAO−銀ノ月−
第四十二話
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ズがルーチンに入ってくれたおかげで、グリームアイズのHPゲージを少しずつ削ってはいるが、未だグリームアイズは恐らくあるだろう特殊技を見せてはいないために油断は禁物である。
このボス部屋に入る前に思っているよりは、《アインクラッド解放軍》のメンバーと自分は善戦しているが、ボス戦では何が起こるか解りはしない。

 もう一度大剣に飛び移るべきか、と考えたその矢先、グリームアイズは大剣による攻撃を止めていきなり仁王立ちとなった……いきなり今まで見なかったこの行動は……

「気をつけろ!」

「総員警戒!」

 《軍》のメンバーも、いきなり仁王立ちになったグリームアイズに不信感を覚えたのか、今回の攻撃を防ぐべきタンク装備部隊は、コーバッツの指示と共に気を引き締めていた。

 グリームアイズが地響きを鳴らしながら口から放ったのは、噴気と呼ばれるガスによるブレス攻撃だった。
《軍》のタンク装備部隊は盾を構えたが、気体であるブレス攻撃は生半可な盾では防ぎきれず、盾と盾の隙間からブレス攻撃が通っていってしまう。

「うわああっ……!」

 《軍》のタンク装備部隊は盾を取り落として転んでしまい、身動きが取れないせいで後続のタンク装備部隊とのスイッチもままならない……このブレス攻撃こそ、グリームアイズの特殊技なのだろう。

「ッ! お前ら避けろッ!」

 転んでしまって動けないタンク装備部隊に、グリームアイズによる本命の大剣攻撃が迫っていく。
タンク装備ではない俺には、残念ながら勢いの乗ったグリームアイズの斬撃を止める手段はなく……同じように、《軍》のメンバーのタンク装備部隊に避ける手段もなかった。

「あああぁぁぁぁぁっ!」

 総勢4人の《軍》のタンク装備部隊がまとめて吹っ飛んでいってしまったが、スイッチしてポーションを飲み続けていたのと重厚な鎧を着込んでいたことが功を労し、何とかまともに当たって一撃死、という最悪の展開は免れたようだった。
だが、4人が吹っ飛んでいってしまって隊列が崩れてしまったのと、ただでさえギリギリの人数が減ってしまってグリームアイズの攻撃が防げる筈もない。

「《転移結晶》を使え!」

 こちらはまだ8人のメンバー……その中でもタンク装備は6人……がいるため、こちらはまだ撤退するぐらいならば何とかなるだろうが、散り散りに吹っ飛んでしまった《軍》のメンバーたちがグリームアイズに狙われてしまったならば、守る手段はない。

 《軍》のメンバーが一瞬ハッとしてワタワタと慌ただしくシステムメニューを呼びだして、その中から取りだした《転移結晶》を掲げて叫びだした。

「転移! 《はじまりの町》!」

 自らのギルドの本拠地の名前を告げ、一刻も早くこの場から離れようと《軍》のメンバーが転移結晶を
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