第四幕その五
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初
方の中にいるわ。これからもずっと」
「これからもずっと」
「だから。悲しむことはないわ。私は生きるの」
「僕と一緒に」
「そうよ。けれど今は眠らせてもらうわ」
静かな声でこう言った。
「お休みなさい」
にこりと微笑んだ。力こそなかったが優しい、優雅な笑みであった。
「お休み」
アルフレードも言葉を返した。ヴィオレッタはそれを見て満足したようだった。
ゆっくりと目を閉じる。そのままアルフレードの腕の中で眠りに入った。
「これでもう僕達は離れることがない」
アルフレードは眠りに入ったヴィオレッタを見下ろして言った。
「永遠に。僕達は決して離れない。何があろうとも」
そんな彼等をジェルモン達が見守っていた。彼等の遠くから祭りを祝う声が聞こえてくる。それはまるでアルフレードの心の中に入ったヴィオレッタを祝福するかのようであった。生の喜びを歓声によってたたえていた。
椿姫 完
2005・10・30
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ