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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第10話
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逃げようとする竜胆に、ゆっくりと、非常にゆっくりと左腕を向ける。

「お、お待ちなさい!こんな距離で撃てばどうなるか…!」
「それも承知で立ってるんだろう?覚悟!」

左腕の珠からエネルギーの弾丸が撃ち放たれる。足を踏まれ、動きを封じられた竜胆の華奢な身体に、止めどなく連射を浴びせる。

しこたま連射をお見舞いした後、腹部を蹴り吹き飛ばす。

観客席は静まり返っている。凄惨で一方的な戦いが、声を失わせたか。

ブザーはまだ鳴っていない。勝つ算段があると言われた以上、最後まで気は抜けない。

ボロボロになりながらも、立ち上がった竜胆を見据える。

「く…、武器は破損、各部に異常…。ここまで、ですわ。丹下智春、あなたの勝ちです。握手をお願いしてよろしい?」

悟った様な声と殊勝な態度で、握手を求める竜胆に、左手を出してやる。

「かかりましたわね…!勝利を確信したこの時こそ、あなたの敗因になるのですわ!!」

左手を握り潰すかのごとく掴まれ、ライフルをこめかみに突き付けられる。勝ち誇る竜胆。だが、まだ終了のブザーは鳴らないぞ?

「勝利を確信した時が敗因になる…、同感だ」

掴まれた左手を力一杯に振り回し、竜胆を空中に投げ飛ばす。

「決める!」

右手にエネルギーを纏わせ、拳を作る。左腕への供給を切ったエネルギーを全て右腕に流す。

エネルギーの拳が、三度に分けて膨れ上がる。

瞬間加速で竜胆を追う。

「名付けて…、『特大ゲンコ』!!!」
「「「センス悪っ!!!」」」

観客全員の一致した感想が口から出たのと同時に、竜胆の機体に拳が命中し、ブサーが鳴った。
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