第10話
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数日後、ついに訪れた、対決の日。告げられたのは一日前、準備不足を付こうとした、頭を使った手段。
しかし、既に手を打っていた俺には効果はない。
ピットで準備をしながら、集まった一夏やシャルル、オルコットとゼロに目を向ける。
「一夏達には感謝しないと。都合つけてもらって」
「いいえ。私にも利益はありましたから」
一夏をチラリと見て、オルコットは笑う。
「そう思うなら勝ってよ。僕達の特訓、無駄にしたら許さないからね」
苦笑するシャルルに背を軽く叩かれる。
「トモ…」
「…一夏」
互いの名を呼び見つめ合う俺と一夏。言葉を使わなくとも、言いたいこと、伝えたいことが理解できる。
「ゼロ、見ててくれ。俺のISの戦いを」
「ハル…、雰囲気が…」
言葉に詰まるゼロと、一夏達の無言の激励を胸に、ステージに立つ。
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「ごきげんよう、丹下智春」
「……竜胆」
ステージで、縦ロールと対峙する。相手ISは『ラファール・リバイブ』。量産された訓練機だが、油断できる相手ではない。
「私には勝つ確信がある。理由はお分かり?」
「御託はいい。やってみれば結果が分かる」
「…っ!!その減らず口…後悔させてあげる!」
屈辱に顔を赤らめた縦ロールが、合図のブザーと同時に、正確にはほんの少し早く、こちらに向けてアサルトライフルを撃った。
辺りに硝煙が昇る。
「不発…!?何処に…、くっ!!」
「言うだけあって、反応は良いな」
硝煙に紛れ、縦ロールの脇腹に蹴りを入れてみたが、腕で止められた。
軽くバックステップで距離を取り、左手でエネルギー弾を連射。
前に見せていたこともあってか、これは簡単にあしらわれる。
「食らいなさい!」
俺の懐まで飛び込んだ縦ロールが、近接戦闘用のショートブレードを突き立てる。
が、遅い!
「姿勢を変えずに私より速く下がった…!?あの男にそんな技量は…!」
下がった姿勢のまま、更に速度を上げ、縦ロールの懐に入り込む。
「速…!?」
「駄賃だ!」
下がる縦ロールの腹部に、エネルギーを纏った右の拳がめり込み、縦ロールの体がくの字に曲がる。
「うううっ!!」
「まだまだっ!!」
怯んだ縦ロールに、攻勢を強める。俺がやって来た事は、生半可な事じゃないんだよ!
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「数日の特訓で、ハルはこうも変わるのか!?」
ピットのモニターを見ながら、ゼロは驚愕していた。ゼロが智春と戦った時は、速いは速いが、見切れない程ではない速度と、丁寧だが馬鹿正直な攻撃、という評価だった。
しかし、今の智春は、見違えるほど高速で相手へ出入り
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