第12話 7月22日
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その日は伊澄ちゃんの家を出た後、すぐに帰った。
私もハヤ太くんもあの後、あまり話していない。
昔にハヤ太くんに会っていたのは、自分でも驚くくらいすんなり受け入れられた。いや、多分少しはもう分かっていたのかもしれない……
あの後、伊澄ちゃんにこんな事を言われた。
『ハヤテさまたちが[幼馴染]というのは、あまり人に言わない方がいいでしょう』
『なんで?』
『少し前に言ったように、ハヤテさまたちを狙って来るかもしれないからです』
『分かりました』
『ありがとうございます、ハヤテさま。けれど……』
『けれど……なに? 伊澄ちゃん?』
そこで伊澄ちゃんは少し悩むような顔から戻って。
『いえ、なんでもありません』
『そう?』
『はい』
こうして話は終わったがその後、伊澄ちゃんがボソッと
『もしかしたら……もう襲われる心配があるかもしれませんね』
何か言っていたけど聞こえなかった。
後は帰ってからの事は、(これからどうしよう)なんて考えて1日を過ごし、よく覚えていない。けど、
『えっと……その……色々ありましたけど、僕も少しずつは思いだして来ていますけど……瀬川さんとは今までと同じ接し方で良いんでしょうか?』
『うん! いいよ〜。だって私も、よく分からないもん♪』
という会話をして、その後私はハヤ太くんの言葉に安心してしまったのか、すぐに寝てしまった。
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7月22日
ナギちゃんのお手伝いも大分慣れてきて、伊澄ちゃんの家に行ってから2日。
今日はナギちゃんが伊澄ちゃんと咲夜ちゃんが来ていた。
今、客間に二人とハヤ太くん、マリアさんにナギちゃん、そして私がいた。
「ワタルは学校やめて、なんの店にするんだろうな」
そんな事をナギちゃんが言ってからこの話題か始まった。
「そうやな〜、まぁ今どきの店なんやろうけど……」
「あはは、お嬢様たちもワタル君の事が心配なんですね」
「なっ! そんな事……」
「一応、幼馴染やからな」
ナギちゃんが否定しようとしたら咲夜ちゃんが先に言葉を返した。
そしてナギちゃんは少し照れた顔をして、
「まぁ幼馴染だし……その……幼馴染を心配するのは当然だろう?」
「そうやで、ハヤテ。もしハヤテの幼馴染がワタルみたいな立場やったら心配するやろ?」
「それりゃあそうですよ。……ですよね? 泉さん」
「え!? ま、まぁそうだよね……私もそうかな。でも、いきなり話を降られてビックリしたよ〜、ハヤ太くん〜」
「あはは……すいません」
ちなみにハヤ太くんは私の事を『瀬川さん』じゃなく名前の『泉さん』と呼ぶようになった。ハヤ太くん
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