動き出す者達〜
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亮〜
二人で自転車を飛ばし、着いたのは裏路地にある黒い木造の店。そこのドアを押し開け、中に入る。
「よぉ、早かったな」
「・・・相変わらず不景気な店だな。よく二年も潰れずに残ってたもんだ」
「うるせぇ、これでも夜は繁盛しているんだ」
「はいはい、相変わらずだね」
「お、コウハもいたのか、丁度いい」
「?」
和人がエギルと連絡を取ったのは先月の末。総務省のお偉いさんからみんなの連絡先を聞いていたのだ。和人はみんなまだ現実に慣れるのに大変だからと連絡してないらしい。・・・ただ、俺はシリカ・・・綾野 珪子とは連絡を取った。サチとは・・・まだ取っていない。
「で、あれはどういうことなんだ」
エギルこと本名アンドリュー・ギルバート・ミルズは現実でもこういった店を開いていた。血筋こそアフリカン・アメリカンだが親からの江戸っ子だそうで、住み慣れたここに喫茶店兼バーを開いたそうだ。客にも恵まれ、美人の奥さんも貰って・・・そんな時にSAOに囚われた。エギルは店を諦めていたらしいが、なんと奥さんがのれんを守り抜いたのだ。・・・さて、そんな彼は和人に言葉ではなく何かを渡してきた。
「・・・ゲーム」
「聞いたことないハードだな・・・」
・・・英語が並んでいてよく読めないが・・・《アミュスフィア》って読むのか?これ。・・・案の定、読み方はあっており、エミルはこれをナーヴギアの後継機・・・と教えてくれた。・・・何でも完全に安全らしい。信用しづらいが。
「・・・ん?じゃあこれもVRMMOなの?」
「ああ。アルヴヘイム、オンライン。・・・妖精の国、っていう意味だとさ」
「妖精・・・なんかほのぼのしてるな。まったり系のMMOなのか」
「それが、そうでもなさそうだぜ。ある意味えらいハードだ」
・・・聞くにはまず“レベル”が存在しないらしい。戦闘もプレイヤーの能力依存、簡単に言えばソードスキルなしの魔法ありのSAOらしい。しかもPK可能と来た。様々な種族間でのPK・・・荒れそうだと思ったが・・・
「飛べる・・・?」
「妖精だから羽根がある。フライト・エンジンとやらを搭載してて、慣れるとコントローラなしで自由に飛び回れる」
・・・そりゃ素晴らしい。・・・そして和人は取りあえず話を戻す。
「・・・あの写真は何なんだ」
エミルは印刷したあの写真を和人の前に置く。
「どう思う」
「似ている・・・アスナに・・・教えてくれ、ここはどこなんだ?」
「その中だよ。アルヴヘイム・オンラインの」
・・・この樹は世界樹と言うそうだ。円形の世界の真ん中にあ
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