動き出す者達〜
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「・・・はい」
「それと、こちらが本題なのだけど」
そう言って京子はタブレットを渡してくる。
「・・・編入試験、概要?」
「お母さんのお友達が理事をしている高校の編入試験を受けられるようにしたわ。あなたは頭がいいから、今から試験勉強を続ければ合格できる筈よ。
「ま・・・待ってください・・・なんでいきなり・・・」
「いきなりじゃないわ。あなたは二年間も人生を無駄にしたのよ。その分まで取り戻さないと・・・」
その言葉に反応し、唇を噛む。あの世界・・・SAOが無駄と言われて、あそこであったこと全てが否定された気がした。
「でも、まだお姉ちゃんも・・・」
「明日奈を言い訳に使うのは止めなさい。昔からの悪い癖よ。そろそろあなたも自立して・・・」
わたしは立ち上がる。
「早貴?まだ話は・・・」
「・・・編入試験のこと、理解しました。・・・少々考えを纏めたいので、失礼します」
・・・わたしは・・・母が苦手だ。そして中途半端に咲があるせいで、余計な口論になりそうになる。
「・・・」
自室に入り・・・渡されたタブレットをベッドに投げつける。
「・・・時間がない・・・」
わたしは昨日和人から預かったノートPCを起動させる。
「・・・よし」
やることは一つ。須郷の悪事を解き明かすこと。
「久々だけど・・・やれるよね」
父のIDに偽造し、レクトのプログラムを探っていく。一歩間違えばすぐにバレるが・・・捕まらないようにステータスの高いPCを和人に組んでもらったのだ。
「・・・あった!」
須郷が保管しているプログラム・・・だが。
「プロテクトが抜けられない・・・」
これ以上進んだら・・・捕まる。わたしはやむ無く退いた。
「くっ・・・!あと少しなのに・・・なら!」
レクトに直接乗り込む!・・・それしか、ない。
「その前に・・・」
わたしはクローゼットの奥から・・・ナーヴギアを取り出す。
「あまり見たくはなかったけど・・・」
ナーヴギアとPCを繋ぎ、ナーヴギア内に残るデータを復元していく。
「・・・あった。とにかくリパルと詠を・・・」
修復作業を開始するが・・・大分時間がかかりそうだ。
「(なら後回し・・・)」
近くのショルダーバッグを取り出し、ノートPCや色んな物を放り込む。多分・・・この家に帰ってくることはない。
「行こう・・・」
わたしは立ち上がり、京子に何か言われる前に家を飛び出した・・・
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