第七章 銀の降臨祭
第二話 三匹がイク!!
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いわね。それに……あんな奴から勲章を貰っても嬉しくないし」
肩を竦めながら笑ったルイズは、視線を士郎から壇上に立つド・ポワチエに向ける。
「そうか……噂をすれば影と言ったところか、勲章授与が始まるようだな」
「そうね……って、あれ、もしかしてギーシュじゃない?」
「ああ。それにジュリオもいるな」
士郎たちの視線の先では、壇上の上に新たに上がった者たちの姿が映っていた。その中には知り合いの姿もある。学院の生徒であるギーシュと第三竜騎士隊隊長のジュリオだ。壇上の上では、勲章を首に掛け、市民からの拍手を受けながら、ギーシュがはにかんだ笑顔を浮かべている。市民の中から、ギーシュに良く似た青年が、壇上に上ると、ギーシュに抱きついた。
「確かギーシュには兄がいたな」
「良かったわね。家族に祝福されて……」
ルイズが何処か寂しげな笑みを浮かべるのを見た士郎は、顔を向けず、ルイズの頭に手を置くと、ゆっくりとした仕草で撫で始めた。
「ルイズも……良く頑張ったな」
「……ん……ありがと」
トリステインの王都。トリスタニアの王宮の執務室で、一人の少女が目を瞑り床に膝を着いていた。物音一つ立たない執務室の中、一心に祈りを捧げている少女は、この国の女王。御年十七歳のアンリエッタ
だった。
アンリエッタは黒い衣服で身を包み。目の前にある小さな祭壇に置かれた始祖ブリミルの像に祈りを捧げている。深いベールに隠された顔が、どんな表情が浮かんでいるのか判然としない。
しんっと静まり返った執務室の中、彫像の如く動かず祈りを捧げるアンリエッタの耳に、ノックの音が聞こえ。続いて、枢機卿であるマザリーニの声がドアの向こうから掛けられた。
「陛下……よろしいでしょうか?」
「鍵は掛かってはおりません」
「失礼します」
アンリエッタの言葉に従い、マザリーニが執務室の中に入ってくる。
「お勤めの最中でしたか、お邪魔してしまいすみません」
「かまいません。無力なわたくしには……ただ、祈りを捧げるしか出来ないのですから」
深いベールを被った状態で顔を伏せているため、アンリエッタがどのような表情を浮かべているのかは分からない。しかし、相対するマザリーニには、どんな顔をしているのかは予想がついていた。
戦争で死ぬ将兵や民たちの喪に服すための黒のドレス……ですか
この戦争での被害者を思うのはいいですが、女王としてはそれは駄目です。
少しは成長したかと思っていたのですが……。
女王が祈ることしか出来ないなど……何を言っているのですか……女王だからこそ出来ることがあると言うのに。
マザリーニは次々と浮かぶ言葉を口にすることなく飲み込むと、普段と変わらない
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