第七章 銀の降臨祭
第二話 三匹がイク!!
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初の攻撃開始と共に現れた幻の軍勢と共に現れ、軍勢と共に消えたのだ。街中にいた亜人の悉くを、赤い騎士がその短時間で始末したことも、幻の軍勢が本物と勘違いされ、事実の判明が遅れた要因の一つだった。
そんな様々なことが合わさった結果。三日でのシティオブサウスゴーダの制圧が実現したのだ。
そして今、士郎の前では、シティオブサウスゴーダの中心の広場にて、街の解放が宣言されている。
そこには、市長や議員、市民の他、連合軍の首脳陣の姿があった。
広場の中央に設けられた壇上の上では、連合軍総司令官であるド・ポワチエ将軍の演説が行われている。
立派な勲章がいくつも胸にぶら下げたド・ポワチエが、誇らしげに胸を張り、サウスゴーダの解放と、限定的な自治権を認めることを発表していた。
サウスゴーダ中の市民が集まっているのではないかと勘違いしてしまうほどの人ゴミから離れた場所。
建物の壁に背を預けながら、耳だけを演説に向けた士郎がいた。
士郎はド・ポワチエの演説に歓声を上げる市民の様子をどこかぼうっとした視線で眺めている。
「どうした相棒?」
「……いや、ただ少し疲れただけだ」
「そりゃあんだけ亜人を斬りゃあな……まっ、それだけじゃないようだけどねぇ」
腰から響いてくる声に、士郎は小さく苦笑を浮かべる。
「……何時もながら、知ったような口を聞くな」
「別にデルフじゃなくても分かるわよ」
「ルイズ……戻ったのか」
人ごみの中から現れたのは、乱れた桃色の髪を手櫛で整えながら歩いてくるルイズだった。ルイズは士郎の横に立つと、同じように壁に背を預ける。
「何処に行っていたんだ?」
「ん? まあ、別に大したことじゃないわよ。ただ、サウスゴーダ攻略戦で、わたし達結構色々武勲を立てたじゃない。それで勲章を授与しようって言われたんだけど、それを断ってたのよ」
「は? おいおいルイズ。それはいいのか?」
何でもないことのように口にしたルイズの言葉に、は? と目を見開くと、士郎は焦った様子を見せる。ルイズは顔を寄せてくる士郎の頬をぺちぺちと軽く叩いた。
「何よもう、少しは落ち着きなさいよ」
「いや落ち着くもなにも……本当にいいのか?」
かつて名誉だ貴族の誇りだと言って躍起になっていた頃のルイズの姿を思い浮かべながら、ルイズを見下ろす士郎。ルイズはそんあ士郎に優しく笑いかけると、小さく首を振る。
「いいのよ。勲章とか名誉とか……そんな躍起になって手に入れるようなものじゃなくなったし。それに、シロウは目立ちたくないんでしょ」
「あ、ああ」
士郎を見上げながら、ルイズは一歩士郎に近づき、更に身体を寄せる。
近づくルイズに士郎は動揺しながらも、身体を離すことはない。
「ならますます必要な
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