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剣の丘に花は咲く 
第七章 銀の降臨祭
第二話 三匹がイク!!
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頷きながら聞いてくるニコラに、ギーシュは頬をヒクつかせながら首を振る。

「いや。彼はメイジじゃないよ」
「え!? メイジじゃない?」
「とんでもなく強い……騎士さ」
「そりゃ一体どう言った――」
「軍曹、そろそろじゃないか?」

 ニコラが身体を乗り出して問いかけてきたが、上空に艦隊が姿を現したことに気づいたギーシュが、それを止める。

「おっと、そうですね。話の続きは今度(・・)聞かせて下せえ」
「そうだな……今度(・・)しよう」 

 含みを持たせた顔でニヤリと笑い掛けてきたニコラに、ギーシュもニヤリと笑みを返す。
 それを合図にしたかのようなタイミングで、艦隊が砲撃を開始する。十数隻からなる艦隊の一斉射撃は、ギーシュの前にそびえ立っていたサウスゴーダの城壁を打ち砕き始めた。
 砲撃音が空から降ってくるたびに、城壁が崩れていく。
 その光景を見て、ギーシュはゴクリと唾を飲み込む。

「始まる……ッ」

 シティオブサウスゴーダ攻略作戦が……始まった。














 シティオブサウスゴーダの陥落は、攻撃開始からたった三日のことだった。
 連合軍の被害は軽微であった。
 こんなにも早く大都市であるシティオブサウスゴーダを制圧出来たのには二つの理由がある。
 一つは、住民からの協力。
 食料を取り上げられたことに対する恨みは強く。元々、革命軍であるレコンキスタにもいい感情がなかったことからも、住民の中から連合軍に協力するものが続出した。直接的に戦力になってくれる者もいたが、何よりも力になったのは情報だ。住民から渡された情報により、街に潜む亜人の始末が随分と楽になった。
 二つ目は、攻撃開始と共にシティオブサウスゴーダに現れた幻影の軍勢により、アルビオン軍が動揺したことだ。
 街の中に突如現れた敵の軍勢に、シティオブサウスゴーダにいたアルビオン軍の指揮官の動揺は大きく。街中の軍勢がただの幻影だと判明する頃には、もはや取り返しのつかないところまで来ていた。
 しかし、あまり知られていないことだが、もう一つの理由があった。
 それは、赤い騎士。
 街中にいた亜人の数は多く。例え人間用に整備された市街地では、上手く身体を動かせない亜人たちであっても、その力と数は驚異であり。全てを始末するには、時間が掛かるはずであった。
 しかし、連合軍がこの亜人と戦うことは、一番最初の城壁の攻略戦が、最後とも言えた。
 街の中での亜人との戦いは、住民からの情報によって判明した、建物に潜む亜人との戦いしかなくなったのだ。
 何故ならば、街中を堂々と練り歩いていた亜人たちは、既に、赤い騎士によりそのほとんどが始末されていたからだ。赤い騎士が目撃されたのは本当に短い間だけ。最
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