第七章 銀の降臨祭
第二話 三匹がイク!!
[3/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
頷きながら聞いてくるニコラに、ギーシュは頬をヒクつかせながら首を振る。
「いや。彼はメイジじゃないよ」
「え!? メイジじゃない?」
「とんでもなく強い……騎士さ」
「そりゃ一体どう言った――」
「軍曹、そろそろじゃないか?」
ニコラが身体を乗り出して問いかけてきたが、上空に艦隊が姿を現したことに気づいたギーシュが、それを止める。
「おっと、そうですね。話の続きは今度聞かせて下せえ」
「そうだな……今度しよう」
含みを持たせた顔でニヤリと笑い掛けてきたニコラに、ギーシュもニヤリと笑みを返す。
それを合図にしたかのようなタイミングで、艦隊が砲撃を開始する。十数隻からなる艦隊の一斉射撃は、ギーシュの前にそびえ立っていたサウスゴーダの城壁を打ち砕き始めた。
砲撃音が空から降ってくるたびに、城壁が崩れていく。
その光景を見て、ギーシュはゴクリと唾を飲み込む。
「始まる……ッ」
シティオブサウスゴーダ攻略作戦が……始まった。
シティオブサウスゴーダの陥落は、攻撃開始からたった三日のことだった。
連合軍の被害は軽微であった。
こんなにも早く大都市であるシティオブサウスゴーダを制圧出来たのには二つの理由がある。
一つは、住民からの協力。
食料を取り上げられたことに対する恨みは強く。元々、革命軍であるレコンキスタにもいい感情がなかったことからも、住民の中から連合軍に協力するものが続出した。直接的に戦力になってくれる者もいたが、何よりも力になったのは情報だ。住民から渡された情報により、街に潜む亜人の始末が随分と楽になった。
二つ目は、攻撃開始と共にシティオブサウスゴーダに現れた幻影の軍勢により、アルビオン軍が動揺したことだ。
街の中に突如現れた敵の軍勢に、シティオブサウスゴーダにいたアルビオン軍の指揮官の動揺は大きく。街中の軍勢がただの幻影だと判明する頃には、もはや取り返しのつかないところまで来ていた。
しかし、あまり知られていないことだが、もう一つの理由があった。
それは、赤い騎士。
街中にいた亜人の数は多く。例え人間用に整備された市街地では、上手く身体を動かせない亜人たちであっても、その力と数は驚異であり。全てを始末するには、時間が掛かるはずであった。
しかし、連合軍がこの亜人と戦うことは、一番最初の城壁の攻略戦が、最後とも言えた。
街の中での亜人との戦いは、住民からの情報によって判明した、建物に潜む亜人との戦いしかなくなったのだ。
何故ならば、街中を堂々と練り歩いていた亜人たちは、既に、赤い騎士によりそのほとんどが始末されていたからだ。赤い騎士が目撃されたのは本当に短い間だけ。最
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ