第68話 =地底世界ヨツンヘイム=
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思わずにやりとしてキリトを見ると彼も同じらしく小鼻をひくつかせている。
「ま、それ以前に九分九里階段ダンジョンまではたどり着けないけどね。この距離歩いたらどっかではぐれ邪神を引っ掛けてたげられたと思う間もなく即死だわ」
「ここじゃ光が届かないせいで飛べないからね。しかも、邪神モンスターは足遅そうに見えてめちゃくちゃ速いよ」
サウスの言うとおり俺たちの翅は光を吸収出来ていないせいで全員分、萎えている。赤いサラマンダーの翅もシルフの緑の翅もスプリガンの翅も全て汚れた黒色に見える。もちろん、ヴォルトの翅も例外じゃなかった。
「と、なると最後の望みは邪神狩りのパーティの大規模パーティに合流させてもらって一緒に地上に戻る手しかないな」
キリトがそういうもその望みは結構低いだろう。アルヴヘイムの時間はまだ午後7時くらい、バリバリのゲーム時間だが現実ではすでに2時すぎ、さすがにそこまでの時間で大規模パーティとなると相当数が限られるだろう。力なく笑みを浮かべたキリトはそのまま自分の膝上にいる小妖精をつついて起こす。
「ふわ……。おはようございます、パパ、にぃ、リーファさん、サウスさん」
「おはよう、ユイ。残念ながらまだ深夜だけどな。いきなりで悪いけど近くに他のプレイヤーがいないか検索してくれないか」
キリトの声に瞼を閉じて耳を澄ませたユイ。だが、すぐに目を開くと申し訳無さそうに耳をたれさせてつやのある黒髪を黒髪を横に揺らした。
「すみません、私がデータを参照できる範囲内に他プレイヤーの反応はありません。…いえ、それ以前にあの村がマップに登録されていないことをに気付いていれば…」
「気にしないでユイちゃん。あの時はあたしが周辺の索敵を厳重にって言ったから…」
ユイに言葉をかけるリーファだがそのあとの潤んだ瞳にやられたらしく顔を少し赤く染めていた。さらにユイによる犠牲者が増えてしまったか…。ちなみに初めてユイと会った全員はもうとっくの昔にやられている。
「ま、こうなったらやるだけやるしかないよね」
「やるってなにをさ」
「何ってリクヤ君……あたしたちだけで地上までいけるかを、だよ」
「でもさっき無理って言ってなかった?」
「99%はね。でも残りの1%になら…慎重に行動すれば可能性はあるわ」
その発言にユイが拍手をし、そのまま立ち上がろうとするのでとっさに俺はその袖を掴んで、引き戻した。
「な、何よ…」
「あのさ、リーファはそろそろログアウトした方がいいよ」
「え、な、何でよ…」
「何でって、もう2時半だよ。リアルじゃ学生らしいし、それなのに俺たちに無理やり付き合ってもう8時間連続でダイブ中、さすがにこれ以上つれまわすのは申し訳ないって言うか…」
「
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