第68話 =地底世界ヨツンヘイム=
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2人は衝突していて俺とキリト、ユイはヒヤヒヤさせられていた。でも今では先ほどもいったとおり話していてその中にギスギスしたような雰囲気はまったくといっていいほど感じられない。
「早いよね、女子が仲良くなるスピードって」
「ホントにそう思う…つい数時間前からなんか想像できないくらいだよ。俺にはとても真似できない」
という傍らの男子の感想。どうやらキリトはこういう友達作るのは苦手っぽい。俺は友達作るのは得意だ、ていうかそうじゃないとやってけないって。…などと思っていると何故か地底で舞っている雪のせいで思わず寒さに身震いしてしまい、嫌でもここまで来た経緯を思い出させる。
領主会談のあと、最初の目的であるアルンを目指し飛んでいた俺たちだが会談が終わったのが午前1時、さすがに時間が時間なのでそろそろ落ちようか、ということになりリーファが偶然見つけた小さな村に向かって降下し無事着地したはいいものの本来いるはずのNPCが1人もいないという不思議な村だった。だが、ここで俺たちは中に入るだろうと思い込み宿屋と思われる一番大きな建物へ向かったときに事件がおきた。なんとその建物3つあったのだがその全てが崩れた、しかも溶けるように。建物だったものはヌルヌルしている肉壁へとなり、地面も同じようにヌルヌルとした肉になっている。どうやら巨大なミミズモンスターらしく次の瞬間、足元がぱっくり割れてその中にサウスとキリトは飲み込まれ、俺とリーファは危険を察知し出来る限りジャンプし飛ぼうとしたが舌で捕まえられてキリトたちと同じようにミミズの消化器ツアーに無理やりの参加となった。リーファは「最悪な死に方だー!」と騒いでおりサウスも「嫌だ嫌だ嫌だ」と心底気持ち悪そうにしていた。かくいう俺も気持ち悪くて鳥肌でびっしりだったけど…。
そんなこんなで胃が拒絶したのかこのツアーも終わり、ぽいっと投げ出され全員でここ、ヨツンヘイムの雪原に不時着した、というわけだ。
「ハァ……まだヌルヌルしてるよ…気持ち悪い…」
「いや、気にしすぎだろ」
「だってヌルヌル苦手だから仕方ないだろ…」
こればっかりは仕方が無い、SAOの時から苦手種族ナンバー1のモンスターはスライム系統、次第に体が拒絶し始めてくるほどにあれは無理だ。なので雪原に落ちて、安全を確保したあと真っ先にしたことは雪を使って体のぬめりを取ることだった。
「今でも信じられないな……村に擬態できるモンスターがいたなんて」
「ほんとよねぇ……誰よ、アルン高原にモンスターが出ないなんて言ったの」
「リーファだけどね」「リーファでしょ」
「記憶にございません」
なんともやる気の無いボケツッコミも数秒で終了し、それと同時にスープも完成しそれを飲みながら対策を考えているのか皆口を閉じたので沈黙に包ま
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