第68話 =地底世界ヨツンヘイム=
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料理を平らげたりと実に欲求にそった生活をしていたときがあった人物、今もそれと大して変わりは無いだろう。
「おーい、起きろー」
「………これは寝ちゃうね……というかユイちゃんはもう…」
リーファの声にも、耳を引っ張る結構痛そうな行動にもむにゃむにゃと言うだけで反応なしな同行者とその膝で丸まっている小妖精を見たサウスが苦笑いしている。
「ほら、寝るとログアウトしちゃうよー」
いいながらリーファがさらに耳を引っ張ると、その力に逆らわずにリーファの方へ体を傾け、ストンとその頭を太ももへと乗せる。さらにもぞもぞと動いてポジションを探していた。
「……膝枕…」
「あら、やってほしいのリクヤ君〜?」
サウスがニヤニヤと俺のほうを見て言うのでそれに対し「別にいいよ」とそっけなく返すと「お願いしますって言われたら引くけどね」と笑いながら返してくる。…こんなやつだったっけ?と思いたくなるが高校の半年間という短い期間だが思い当たる節々はいくつかある、と思い込もう。
「そこの2人で漫才してないでキリト君起こすの手伝ってよ」
「はーい……頬叩いてみれば?」
「さっきからやってるよ」
「それでも起きないのはさすがキリトだな…って納得して落ちられても困るから一発ガツンと殴っちゃえば?」
さすがに殴るのは躊躇いがあったらしいリーファだったが決心したのか左手で拳骨を握るとツンツンと逆立った黒い髪の真ん中に狙いを定め、そこへ落下させた。「ガツンっ」ではなく「ヴォグシッ」という爽快な効果音と肉弾攻撃の黄色いエフェクトが奇妙な声と同時に発生しその直後キリトは飛び起きた。辺りをきょろきょろしているキリトの顔に対しリーファはにっこりと微笑みかけ、優しい声をかけた。
「おはよー、キリト君」
「………おはよう…もしかして俺、寝ちゃってたり…?」
「あたしの膝枕でね。小パンチ一発で済ませてあげたのを感謝しなさいよね」
「…そりゃ失礼。何ならお詫びにリーファも俺の膝枕で「要りません!」…だよな〜」
「2人とも、漫才はいいから。キリト君は夢の中でナイスアイデアでも浮かんだんでしょ?」
自分のことを棚にあげ注意するサウスにリーファは呆れていたがそんなものは華麗にスルーし、キリトに訊ねる。だが彼が夢で見かけたのは巨大プリンアラモードがもう少しで食べられるらしい夢という本当に同でもいい夢だった。
それにしても…キリトが寝ている間だがキャッキャとサウスとリーファはおしゃべりしていたのが不思議でたまらない。人間ってこういう状況だとすぐに仲が良くなるものなのだろうかと思わせるほどだった。
実はこの2人、ここに来る前までは結構ギスギスとしており、サラマンダーとシルフの関係の溝が深すぎたのか何を言ってもこの
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