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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
激戦のその後に
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わよ」

 当然といえば当然。

 今にも一触即発だったオレたちを止める第三者(遠坂凛)の存在。
 遠坂凛を正しく知っている者ならば、ここで彼女がどういう判断を下すかは想像に難くない。

「学園の結界が消えた以上、私が優先すべきは今にも衰弱死しかねない学園内の人間の安全の確保。そしてライダー、キャスターとの戦闘による魔術の痕跡の抹消よ」

 一瞬面食らったような顔をした後、すぐに凛に同意する士郎。

「そうだ。セイバー、今は戦ってる場合じゃない。助けなきゃいけない人はまだたくさん居るんだ」
「ですが……」
「私は士郎と黎慈、二人を信用して休戦協定を結んだ。そして二人も私を信用してそうしたはずよ。
 用済みになれば敵として切り捨てるような、粗末な契約を交わしたつもりはないの」

 凛の言葉に感動すら覚えるが、セイバーへの警戒は消さない。
 たとえ1%であろうと攻撃してくる可能性があるのなら、警戒を怠るわけにはいかなかった。

 これ以上の流血に意味はない。互いに引けと凛は言っている。

 とはいえ、こちらの状況は中々酷いものだ。
 簡単に気を抜くわけには行かず、万が一剣を収めた瞬間に奇襲を受ければ成す術なく倒されてしまう。
 余力、余裕がないのは事実であり、オレとしては出来ればセイバーの方から退いて欲しいところなのだが。

 しかしあちらも似たような心情なのだろう。
 警戒心は薄く、今すぐ戦うつもりはないとは思うが、完全に戦意を静めるのも迷っている。

 煮え切らない態度に我慢できなくなったか、凛が口火を切った。

「もう一つ、こっちの方針を口にしておくわ」
「え?」
「アーチャーが既に此処を狙撃出来る位置に付いてる。あなたたちが戦うのは勝手だけど、その場合こちらも勝手に介入させてもらうわ」
「っ……」

 即座に周囲に探知魔術を掛けるも引っかかる反応はない。

 確認できるのはオレ、凛、士郎の3人の魔術師、フェンサー、セイバー二人のサーヴァント。
 隠匿の魔術か何かで身を隠しているか、それとも探知範囲外からこちらに狙いをつけているか。

 結界が起動しているあいだは侵入出来なかったが、それが無くなれば関係ないということか。
 凛の危機を察知し駆けつけたアーチャーは外で待機しつつ、結界が解けた時点で次に必要なのは内部で生き残っている他のマスターとサーヴァント。

 今は自分に有利な場所で、こちらの様子を伺っているのだろう。

(フェンサー、アーチャーが何処にいるかわかるか?)
(ダメね、少なくとも半径3km圏内に居ないことだけは間違いないけれど……)

 サーヴァント同士での探知でも特定が難しいか。
 それだけ離れた距離から狙われているとすれば、こちらからは対処
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