飢餓航路
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
進路を惑星カプチェランカへ。
戦術長。
偵察衛星を射出。
他艦偵察衛星と連携し索敵を蜜に」
「了解」
「了解っと」
第十偵察隊は今回の任務に合わせて艦の補充や臨時編入があり、戦艦五隻、空母五隻、巡航艦二十隻、駆逐艦270隻まで膨れ上がっている。
特に、現場を知っている偵察隊は水先案内人として重宝されており、この手の戦闘においては極力呼ぶように方面軍司令部から通達が来ていた為の出陣である。
また、全艦が軍艦で編成されているから、ワープ後の行動が素早いというのも大きい。
「しかし惜しいですな。
今回も艦隊を叩くのみで基地は攻撃なしだそうで。
知り合いの陸戦隊員達が残念がっていましたよ」
パトリチェフ副長の軽口にヤンも軽口で答える。
「陸戦隊に手柄を立てられちゃ困るんじゃないかな。
真面目な話だと、ここで陸戦をするとこっちも消耗するし」
軍隊において最大の人員を持つのは陸戦であり、それは宇宙に人類が上がった今でも変わりがない。
同盟軍にも宇宙艦隊や警備艦隊とは別組織で陸戦隊と呼ばれる陸戦組織があり、その人員は1500万人を数える。
膨大と思うかもしれないが、制宙権を取った有人惑星一つを完全制圧するのにかかる人員は最低でも300万を考えないといけない以上、かなり抑えられていたりする。
人が人を指揮する場合、万を超えると途端に指揮が難しくなる。
小人数だと互いの顔が見れるのだが、万を超えると間に複数の中間管理職を挟まないと組織が動かないからだ。
かくして、人が宇宙に上がったのに古より使われし『師団』だの『連隊』だのという組織が現役を張る事になる。
そこでやっかいな問題に直面する。
同盟軍では、『連隊』を指揮するのは大佐、『師団』を指揮するのは准将、『軍』を指揮するのが小将、『軍集団』を指揮するのが中将と規定されている。
という事は、艦隊ポストより陸戦隊ポストの方が将官が多くなってしまうのだ。
そのくせ、制宙権確保が恒星間国家の絶対条件である以上、艦隊の指揮ができない将官が大量発生する事は避けたい。
で、この問題において、同盟軍はアンドロイドとドロイドの大量投入によって解決したのである。
この陸戦隊問題が本格的に問題になったのは、第二次ティアマト会戦後に行われた『アッシュビーの復讐』において。
同盟側帝国軍拠点の制圧と、帝国領逆侵攻という作戦で大量の陸戦隊の投入が不回避になったからである。
臨時編成した陸戦隊では到底足りないので、使い捨て前提のドロイドを大量投入したのが最初である。
使い捨て前提なので、簡単な命令しかこなせず、スタンドアローンで動くドロイド兵達は動く的でしかなったのだが、そもそも絶対数が足りない以上文句は言ってられ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ