第33話 海鳴市に正義降臨!(1)
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でもそんな所が素敵、抱いてっ!!」
けれどもそんな事はお構いなし。リリーがそういってもう一度純吾に抱きつく。それを構って欲しい合図と捉えたのか、押し倒されたまま純吾は「お〜。よしよし」と髪を梳くように頭を撫で、リリーをあやしはじめる。
「ちょっ、ちょっと二人とも! 話が進まないから早くはなれてくださいっ!」
そんな2人に対して、珍しくすずかが純吾とリリーを引き?がしにかかった。むすっとした顔でぐいぐいと2人の間に割り込み、両手を伸ばして二人を引き離す。
そしてリリーとすずかが文句の応報をしている間にアリサとなのはが机を元に戻し、純吾をずるずると引っ張っり上げて椅子に座りなおさせた。
そんな、ちょっとした喜劇があったが、ようやく本題に入る事ができそうだ――
「あら、そういえば私って何でこの部屋に来たんだっけ?」
「そ、そこからですか…」
――ったのだが。のぞき見をしていたのに純吾まっしぐらで、全く話を聞いていなかったリリー。すずか達はため息を一つつき、今までの経緯をもう一度説明した。
「あぁ、そういうこと。確かに私たち悪魔にとって、合体っていうのは忌避するようなことじゃないわよ」
「えっ、どうしてそんな」
「だって、私達は仲魔だから。そして仲魔が何のために呼ばれたか? それは、契約した人間と共に戦い、その人間を生かすため」
あっさりと合体を肯定したリリーに、すずかは思わず声を漏らす。そんな彼女にリリーは居住まいを正した後、淡々と語り始めた。
「戦うために、戦いをより有利にするために、私達は手段を選ばないわ。例えそれが、私達の存在が消えてしまう事だったとしても。ただ、それだけの事よ」
「そんな…」
自分の事を全く厭わないリリーの言葉に、すずかは両手を胸の前で握りしめた。そんなこと、あんまりにも悲しいと思う。せっかくこうやって出会えたのに、こんなにも早く、あっさりと別れがやってくるなんて。
そんなすずかを見て、ふっとリリーが微笑んだ。
「突然だけどここで問題っ。私達悪魔の身体を構成してるマグネタイトって、何から生まれてくるのか? 分かるかしら」
穏やかな声でそう問われ、なのは達は困惑しつつも頭をひねる。
けれども検討がつかず、再度リリーへと視線を戻す。その視線の意味を理解したリリーが一つ頷き、「そこよ、そこ」とすずかの胸を指差した。
「マグネタイトとは、人の心。喜び、悲しみ、怒り、そして、思い。そんな人が生きようとする時に溢れてくるエネルギーを指すの。
そして、2体の悪魔をマグネタイトの状態に還元し、それを依り代に新たな悪魔を呼ぶ。それが悪魔合体」
そう言いながら、すずかの頭へ手を伸ばし撫でる。ゆっくりと自分の髪を撫でる温かな
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