第33話 海鳴市に正義降臨!(1)
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「…【邪教の館】を使う」
「「「…じゃ、【邪教の館】ぁ?」」」
思わず、声を揃えて奇声をあげてしまったなのは達3人。
それからゆっくりと互いの顔を見合わせた後、胡乱げに純吾の方を向いた。
「ちょっと、何なのそれ? すっごい胡散臭いんだけど、てか、今からその館ってとこに行こうっての?」
「う〜ん、ねぇ純吾君。それって、怪しい団体とかに繋がってるとかないよね? ほら、幸運の壺だとか、幸せになれるパワーストーンとか?」
ジトっとした目で純吾を睨みつけるアリサと、少しずれた心配をするなのは。“館”と聞いてまず思ったのが、どこか秘密の組織か何かだったからだ。
「ね、ねぇ純吾君。もしかしてそれって私の家の事なのかなぁ? 最近、妙に純吾君の仲魔の皆をこの家で見るんだけど、それ以外にも何か隠し事ってないよね? ねっ?」
すずかに至っては、思い当たる節のある事が喫緊の問題すぎる。口角を引きつらせ、じりじりと純吾に詰め寄りながら確認する。
けれども、それも仕方のない事だろう。
現に今だって、裏庭では恭也と青い退魔神マハカーラが嵐の様な剣劇を繰り広げ、
「うぉぉぉぉぉおお!」
「はっははは! 人の身でよくぞここまで練りあげたものだっ、恭也ぁ!」
それを尻目に忍がロシアの家憑き妖精であるキキーモラが淹れたロシアン・ティーを飲み、
「よくもまぁ、ついていけるものねぇ。あっキキーモラさん、今日の付け合わせは何かしら?」
「ヒヒヒ、今日ははちみつさね。ジャムもママレードもこの前試しちまっただろう?」
「こ、こんなに頭に本なんて乗せられませんよぅ〜」
「「「だいじょ〜ぶ、落としてもぼく達が何回でも拾ってあげるから」」」
「ふ、ふえぇぇぇ〜」
そしてファリンがポルターガイスト3兄弟に特訓と称したイタズラに付き合わされているからだ。
正直、今の月村邸はビックリするくらいの魔窟ぶりだ。
そんな3人の反応に、「あれぇ〜」と言った感じに首をかしげる。はじめて自分がアプリを受け取った時にはなんて格好いい響きなんだと少し興奮したものだが、ここまで心配などをされるとは思ってもいなかった。
と、そこで純吾は実物を見せていないことを思い至る。慌てて、ごそごととズボンから携帯を取り出し画面をすずか達に見せる。
「んん、家の中、何もしない。【邪教の館】、アプリの中。……ほら」
「あぁ、なるほどねぇ」
画面の中に表示される【邪教の館.exe】という文字を見て、ようやく3人の顔に理解の色が浮かぶ。
「何よ、じゃあ初めっからまどろっこしい名前じゃなくて、使ってない昨日を使うとか何とか言いなさいよ。すっごい分かりにくいんだから」
「にゃは
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