第117話 州牧制復活
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第、久方ぶりに姉上の元を訪ねようと思いまして」
「ふふ、あまりに嬉しそうでしたので不思議に思いました。車騎将軍と侍中は姉弟仲がよろしいのですね」
劉虞は私を見つめながら微笑ましいそうに言いました。
「失礼いたしました。姉とは五年以上会っていなかったもので」
「車騎将軍、いいのですよ。弟が姉を想うのは当然のことです。褒められることはあっても非難されることではありません」
その後、私と劉虞は皇帝との面会の場である玉座の間へつくまでの間、何気ない会話をしました。
玉座の間に到着すると劉焉、劉表、黄?、張譲の四名がいました。
劉焉、劉表、黄?の三名は外見からして劉虞と歳も近いと思います。
張譲は玉座の一段下に控え、私と劉虞を確認するとこちらに近づいてきました。
「これこれは宗正、ご足労をおかけして大変申し訳なく存じます。車騎将軍もご足労をおかけいたしました」
張譲は劉虞へは仰々しい挨拶を行ないましたが私には一応拱手をしていましたが軽く返事をしてきました。
待遇の差を感じなくもありませんが、皇族と宗室の私では待遇の差があるのは当然ですし、もともと張譲と仲が良い訳でもないです。
「皆様、皇帝陛下をお呼びいたします。しばし、平伏してお待ちください」
私達は張譲の指示通り、玉座を正面にして平伏をすると皇帝が来るのを待ちました。
着座の順は左から劉虞、劉焉、劉表、私、太僕の順です。
皇帝が来るまでの時間が凄く長く感じました。
海千山千の政治家である彼女達の前では私はお子様なのでただ皇帝陛下を待っているのは正直心労です。
皇帝陛下、早く来ないでしょうか。
「皇帝陛下のお〜な〜り〜!」
静寂を破ったのは宦官の声でした。
皇帝陛下が来られたことを知らせる宦官の声が聞こえてから暫くして玉座に誰かが座りました。
「皆、よく参ってくれた。面を上げよ」
皇帝陛下の声が聞こえたので言われるがまま頭を上げました。
彼は私達の顔を左から順に見ると口を開きました。
「今日呼んだのは他でもない。朕は『州牧』の官職を復活させようと思っている」
私を含め劉虞、劉表は皇帝陛下の言葉に驚いていました。
私は驚いている振りをしたまま劉焉へ視線を送りましたが、彼女は全然驚いている素振りもありませんでした。
彼女が「州牧制」の発起人ということで間違いないでしょう。
彼女のおかげで都から堂々と離れることができます。
皇帝陛下も私を呼びつけ州牧の話を持ち出す以上、私だけ州牧から外すなんてことはないと思います。
任地は何処でしょう。
せっかく地盤を築きつつある冀州から離れるのは御免被りたいですが、劉虞が居るということは幽州に劉虞が入り込むということになります。
私が冀
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