芽生える気持ち
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今日はちょうど一段落したところだし、僕も帰るよ。一緒に帰ろっか」
そう言われて嬉しかったけど、迷惑を掛けているように思えたから、やんわりと断りの言葉を口にした。
「別にいいよ。家の方向が違うでしょ」
「僕が一緒に帰りたいんだ」
力強くそう言われて、余計に胸の鼓動が高鳴る。でも私は、それを悟られないように答えた。
「……それなら、一緒に帰ろうか」
「うん。帰ろう」
それからは二人並んで話しながら、ゆっくり歩いて帰った。なのに、あっという間に私の家に着いてしまう。
本当はもっと沢山のことを話したかったのに、その気持ちを抑えて言った。
「私の家、ここだから」
「そうなんだ。じゃあ、また明日」
「うん。また明日」
それだけ言って、羽月君は歩き始めた。
私は少しの間だけ、その後ろ姿を眺めていた。
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