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Monster Hunter ―残影の竜騎士―
8 「受難のち衝撃の出会いからの確信」
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はない。

「なんだよ、何なんだよこれは! おい、ハナ!!」
「ニャアアアごめんニャ! でもでもニャンそんな仕組みになってるなんて知らなかったニャ!! ほんとニャ!!」

 兎に角転がるように外へ出ると、庭に寝転んだ。体中が臭い。ペイントボールを投げられた大型モンスターの気持ちがわかった。ペイントボールってこんなに臭いのか。いや、エリアの端っこにいてもわかるくらいだから臭いのはわかっていたんだが、自分の胸元から漂うこのキツい匂いは、いったいいつになったら取れるんだろう。あれって確か効果は5、6時間くらいだった気が……。

「………6時間もこの匂い漂わせてたら、俺、吐きすぎて脱水症状になるぞ」
「旦那、大丈夫かニャ……?」
「と、とりあえず肉焼き用のうちわを持ってきたニャ。ニャアとハナで前から風を起こすから、ちょっとは良くなる筈ニャ」

 ぐったりしているナギを慎重にデュラクが尻尾で支え、前の方からナギの黒いマスク着用の2匹のメラルーがうちわで仰ぎまくる。匂いは後ろに流れて、数十分後にはなんとか気分が悪いのも収まってきた。

「……とりあえず、手紙を読もう…」
 まだ申し訳なさそうにしているハナから手紙を受け取る。今度は非常に慎重にあけたが、何も仕掛けはなかった。

「なになに、『拝啓。日差しも暖かくなり、草木の緑も日に日に鮮やかになってきた今日この頃、ナギ様におかれましては如何お過ごしでしょうか。先日はリオレイアから我が村のハンター、リーゼロッテとエリザ、並びにオトモアイルーハーヴェストとチェルシーを助けていただいて、誠にありがとうございました。』……。なんで俺の名前知ってるの」
「そ、それは、ニャンが喋ってしまったのニャ。そのエリザっていう子が怖かったのニャ…ごめんなさいニャ……」
「『つきましては、感謝の言葉とナギ様の腕を買って、お頼み申し上げたいことがございます。使者をお送りいたしますので、我がユクモ村にいらしてはいただけないでしょうか。色よい返事、お待ちしております。かしこ。ユクモ村村長』……え、もしかして“使者”って…」
「……この匂いを頼りにこっちに来てるかもしれニャいニャ」
「ヒニャアアアごめんなさいニャごめんなさいニャ!! ニャン、こんなことになるなんて思いもしなかったニャ!!」
「…まあ、やっちまったもんはしょうがないよなぁ……」

 はぁ、とため息をついて空を見上げる。雲ひとつない晴天だ。しかもよりによって風はほどよく頬を撫でる。ああ、これは猫どものうちわか。

「……おい、ここら辺に最近大型モンスターっていなかったよな?」
「最後に来たのは2日前の夫婦だけニャ。まだたったの2日だし、ニャんもいニャいと思うニャ? そもそも、こんニャ仕打ちしてまで旦那をのがそうとしニャい連中に、そんニャ気
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