暁 〜小説投稿サイト〜
椿姫
第二幕その六
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ているんだ」
 彼女のことはわかっているつもりであった。何もわかっていなくてもわかっているつもりであったのだ。
「パリなんだね、そこの夜会にいるんだね」
 夜の世界の女は必ずそこにいる。一度そこに顔を出したならばわかることであった。
「何を考えているんだ、アルフレード」
 彼は息子に対して問うた。
「決まっている、行ってやるんだ」
 彼はそう言って玄関に向かった。
「見ていろ、この侮辱」
 怒りで身体を震わせながら言う。
「必ず晴らしてやる!」
「あっ、待つんだ!」
 だが父の制止は間に合わなかった。アルフレードは馬に乗りパリに向かった。道はもう暗くなりはじめていた。夜の世界が訪れようとしていたのであった。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ