第6話 強ビリビリ
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まで効果を発揮することができる。
半径10mであれば、大気や地面の電気を操ることができる。
このことにより、牧石は自分が感電することはなくなった。
「さすがに、相手の体内は直接さわらないと、いじれないようだけど」
相手の体に遠隔操作ができるのであれば、相手の体内から直接電力を発生させ、気絶させることも可能だ。
それができないのは、人体の構造が複雑である事による。
超能力を究めたサイマスターであれば、可能な技術かもしれないが、そこはまさに神の領域なのだろう。
牧石は、自分の能力はレベル5であるけれども、サイマスターの水準に到達するには、何枚もの分厚い壁を突破しなければならない事を自覚している。
それでも、今の実力ならもう一人の牧石を倒すことができると確信している。
だから、
「ねえ、お兄ちゃん。
砂山作ってよ」
花柄のついたピンクのエプロンを身につけた小さな女の子が、牧石のズボンを引っ張りながらお願いする。
「はいはい」
牧石は、砂鉄の山を作り出す。
「ぼくは、かべがいいな!」
神戸市を本拠地とするサッカーチームのユニフォームを着た少年が、大きな声で牧石に声をかける。
「ほらよ」
牧石は、細い50cm程度の高さの壁を構築する。
「ねえ、とんねるを、ほってよ!」
Tシャツと短パンをきた男の子がさきほど牧石が作った山に指を指しながら注文する。
「ほいきた」
牧石は、先ほど作った砂山に3カ所穴をあける。
牧石は、もう一度自分の考えを確認する。
今の実力ならもう一人の牧石を倒すことができると。
だから、砂場に集まる子どもたちの相手をしても問題ないはずだと。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
二人の牧石が戦いを挑む日の、午前3時。
天野は、第17区にある更地に佇んでいた。
天野は、腕時計を確認すると背後を振り返る。
そこには、葛桐医療機器第3工場で制作された機械が103体存在した。
それらのうち100体は漆黒に染められていることと、更地の周辺に光源が存在しないこと、さらに今日が新月に当たることから、ぼんやりとしか認識できない。
残り3体は、真紅に塗られており、特殊用途と思われるようになっていた。
この3体は、量産された110体のうち、最も性能が高い機体であり、今回の作戦において遊撃を担うことになっている。
110体のうち残りの7体は、既に作戦に投入されているため、ここにはいなかった。
「さて、翼が到着する時間だな……」
天野は、再度腕時計を確認する。
すると、天野の上空から12体の白い物体が降下してきた。
「時間通りだな、菱井」
天野は、上空に一瞬だけ視線を移したが、目の前に作業服と作業
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