第5話 中ビリビリ
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に上機嫌になる。
「僕と、そんなに年が離れている訳じゃないですよね」
「そうなのだけど、年の離れた兄がいたせいで、中学校の時からおばさん呼ばわりされたら……」
女性は悲しそうな声になる。
「それは、ひどいですね」
牧石は、女性に同情の視線を向ける。
「嬉しいな、そんな事を言ってくれるなんて」
女性は牧石にもう少し近づいてきた。
「え、えっと、そこのベンチに座りませんか?」
牧石はあわてて、近くにあるベンチに女性を連れていった。
牧石たちが座るベンチの上には、ヒマラヤスギがあるため日差しをしのぐことが出来る。
牧石に話しかけてきたのは、亜浪カリアさんで公園の近くにあるマンションに住んでいるそうで、仕事帰りに牧石が公園で練習しているのを毎日見ていたらしい。
「牧石君が、毎日熱心に練習しているから、どんなことをしているのか気になったの。
土曜日も昼に来ていたと聞きましたので、ひょっとしたら今日も来ているかと思いまして」
「そうですか。
でも、そんなにおもしろい練習ではありませんよ、狩屋さん」
牧石は、亜浪に返事をする。
「そうなの?
それにしては牧石君は一生懸命だったけど」
「まあ、明確な目的がありますからね。
それに、効果が実感できているので、やる気も下がりませんし」
「どんな、目的なの?」
亜浪は牧石に近づいて質問する。
「た、たいした事ではないです」
牧石はうろたえながらも、なんとか返事を返す。
「おかしいなぁ。
あんなに真剣に練習していたのに、たいしたことないなんて」
亜浪は、疑いの目を牧石にむけたが、
「がんばってね、牧石君」
亜浪は立ち上がると、牧石の左肩をとんとんたたく。
「そうですね、がんばります」
牧石は力強くうなずいた。
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サイキックシティ第17区。
そこでは、様々な機械の製造が行われている工場が多く存在するのが特徴的な区域である。
その中の一つに、葛桐医療機器第3工場が存在する。
葛桐医療機器は、サイキックシティでは中堅の規模の企業だが、義肢や義眼等の製造においては、医療工学が進んでいるサイキックシティにおいても最先端の技術開発力を持っていた。
その技術開発力をさらに高めるため、去年第3工場が新設された。
第3工場は、第1工場、第2工場とは違い新製品や新技術の検証に必要な製品開発のための製造ラインを持っていた。
製造ラインの生産性は第1、第2の工場よりも劣っているが、非常に高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応することができるようになっていた。
今も、そのラインの最終工程から、1台の試作品が生み出さ
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