第4話 弱ビリビリ
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を吸収してくれる設計で作られた訓練室に牧石が入ると、室内から暑い空気が漏れ出す。
「熱っ。
能力吸収構造のためとはいえ、換気が必要だな。
もっとも、この暑さのおかげで、予約する生徒がほとんどいないのはありがたいことだが」
牧石は、そばにある扉をしばらく開けっ放しにして、外の空気と入れ替える。
牧石は、訓練室の外にいったん出て、鞄からタオルを取り出すと、汗を拭く。
「まあ、許可は下校時刻までもらっているから、ゆっくり待とうか」
訓練室の温度が下がった頃を見計らって、牧石は再度入室する。
「まだ、暑いが大丈夫か」
牧石は、電気を操る能力を身につけたら、涼しくする方法を編み出そうと考えながら、訓練を始めた。
基本的に超能力を行うためには、イメージが欠かせないと言うのが、この世界での超能力のあり方である。
その意味では、牧石はイメージを十分に持っていた。
牧石は、電気を操る超能力者が登場するアニメを何回も繰り返し視聴しており、イメージだけならサイキックシティの住民にも負けないと自負している。
牧石は、自分の体に電気を纏うようなイメージを浮かべて、実行に移し・・・・・・
「ここは?
……ああ、保健室か」
目を覚ました牧石は、周囲を見渡し今いる場所を確認する。
「目が覚めたのね、牧石君。
あら、そんな顔して、私のこと忘れちゃったの?
漆原よ、う・る・し・ば・ら。
今日も研究対象になりそうな生徒が保健室に来ないから、一人で寂しくしていたの。
もう、帰ろうかなと思って、片づけをしていたら、牧石君を背負った、高野先生が入ってくるのでびっくりしました。
あの、男性経験は夫だけのような高野先生が、生徒を保健室に連れ込んだのですから。
残念なことに、私が大喜びするような展開ではありませんでしたね。
まあ、私がいる前でされても困りますからね。
いくら、私がここで給料を受け取っているとはいえ、本業は研究者ですから。
帰れるときは、帰るのが私の流儀です。
まあ、こちらで二人の様子を観察するのも研究に役に立ちますからね。
ですが、高野先生は生徒を置いてどこかに出かけたようですね。
おそらく、牧石君が倒れていた実験室の確認をするためでしょう。
私が牧石君の状況を確認するかぎり、超能力で電気を起こそうとしたようですが、自分の体内に電流が流れて気絶したようですね。
私の考えなので、高野先生は別の可能性を考慮に入れて、検証しようとしているようですが。
と、いうわけで、今はふたりきりという状況です。
牧石君のような、才能を持った子どもをいつでもしぼりとれるように、計画をねっていたけれども、肝心の相手がいなければ意味がなかった。
そして、今ここで計画を実行に移す機会をえることができました。
い
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