第3話 対メカ戦術
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っきりとしゃべれるようになってきた。
「その話ではありません!」
高野は、牧石をにらみつける。
「……すいません」
勘違いした牧石は素直に謝る。
「私が言いたいのは、あなたも牧石啓也だということがわかったからよ」
「僕も?」
「「牧石啓也」という、同性同名の二人の情報がなぜか、混在しているの。
そのため、今日の悲劇が起こったの。
現在、警察と市役所が調査しているのだけど、未だに原因はつかめていないの」
「そう、ですか……。
いや、あいつはロボじゃないですか。
空も飛んでいましたし……」
「牧石君。
もうひとりの牧石君に、変なことを言わないで!
牧石君は、転入生だから知らないと思うけど、サイキックシティの科学力なら、脳味噌さえ無事なら、なんとか生きることができるの。
それをロボットなんていったらだめです。
もう一人の牧石君も、立派な人間なのです」
「すいません」
牧石は、少年が自分の事を「アンドロイド」と言ったことを思い出したが、ここは素直に謝った。
「わかればいいのです」
「ところで、もう一人の牧石は?」
牧石は、高野に質問する。
「彼ならば、反省文を書いてもらっています」
「そうですか……」
牧石は、もう一人の牧石が軽い処分ですんだことを疑問に思ったが、この場では言わなかった。
おそらく、自分の事を牧石啓也という名前を語る、外部からの進入者と勘違いしたことと、全身に受けたダメージはそれほど重くなかったことが原因だろう。
全身が筋肉痛に近い痛みがかけ巡っているが、骨などには異常を感じなかったからだ。
そして、牧石は考えた。
自分には、戦いに特化した超能力を持っていない。
相手の思考を読んだりする能力は、本来であれば役に立つのだが、対サイリーディングアイテムが存在する以上、肌に触れない限り活用できない。
逆に肌に触れる距離まで近づけば、寝技や間接技の応酬で役に立つかもしれないが、打撃技には反応できない。
牧石は、超能力で何らかの攻撃手段を身につける必要性を感じた。
できれば、汎用性が高く、もう一人の牧石を打ち倒せるような強力な超能力が。
牧石は、前世で見ていたアニメを思い出す。
「力のベクトルを変えるのも汎用性が高いが、イメージが浮かびにくい。
やっぱり、電撃が解りやすくていいか。
彼女のパクリになるが、会ったこともないし問題あるまい。
そういえば、他のレベル5の話をあまり聞かないな?」
牧石は、ベッドの中で疑問に思った。
学園都市の中であれば、レベル5の噂が言われていると思っていた。
だが、サイマスターグルー以外で高レベルの超能力者の話を牧石は聞いたことが無かった。
「それよりも、あたらしい能力の開発だな」
牧石は、新しい能力の開発を決意する
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