第4話 研究所
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。
「「エキドナ」は、公開されていません。
牧石さんは、実験で使用していたけど、本来なら「エキドナ」を使用するなんてあり得ない話よ。
普通なら、測定室に置いてある端末で十分なのよ」
「そ、そうですか……」
「牧石、測定室は知っているか?」
「・・・・・・行ったことありません」
牧石は、福西の言葉に首を横に振る。
「私が案内するわ」
「俺が案内しよう」
迫川と福西が先頭になって、牧石と真惟を案内した。
午前中の測定が無事に終わり、牧石たちは食堂に集まっていた。
食堂は併設してあるスクールと共同利用されていることから、昼間は比較的にぎやかになるのだが、今は夏休みという状況であるため、閑散としている。
牧石たちは、定食を食べながら話をしていた。
「……小早川さんは、僕のためにいろいろと配慮してくれたんだ。
そんなやさしい小早川さんをさしおいて、古川さんのほうが良いなんて、目黒の奴はポニーテール教団の原理主義者に違いない」
牧石は、目黒が居ないことを良いことに、自説の布教と、目黒への弾劾を行っていた。
牧石は、小早川を慕っているが、ツインテール至上主義者ではない。
服装や、顔型、場所等、状況にあわせて理想の髪型があるというのが、牧石が信奉する「現実主義者」の基本姿勢である。
「牧石。
君の演説はもっともらしく聞こえる。
傾聴に値する内容もあるだろう。
だが、君の演説には致命的な欠点がある」
うどんを食べ終えた福西は、諭すような口調で牧石に答える。
「欠点だと!
これほどまでに汎用性の高い僕の理論に欠点があると?」
牧石は、自分の理論に穴などないと考えていたことから、むきになって追及する。
「俺が指摘するのは、君の理論ではなく、どうしてこのメンバーに対して演説を行うのかといいうことだ」
「……」
牧石は、福西の言葉に沈黙する。
「俺が、迫川至上主義を貫いているのは知っているだろう」
「ああ、そうだな」
「迫川は、俺が迫川至上主義者であることを理解している」
「……」
牧石は、「このリア充が!」という言葉を飲み込んだ。
「君の隣にいる目黒の妹さんは、兄優先理論の提唱者だ」
「提唱だけではなく、実践しています!」
真惟は反論する。
「そうだな」
福西はうなずく。
「今の君がすべきことは、演説ではないのだよ、牧石」
「僕がすべきこと?」
「わからないのか、牧石?
君だけが、ご飯を食べ終わっていないことを?」
牧石は、テーブルを見渡す。
牧石を除いた全員はすでに、きれいに平らげており、牧石の目の前にある定食はほとんど手がつけられていなかった。
「……ごめん」
牧石は急いで定食を平らげた。
定食を食べ終わった牧石は、トレ
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