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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第2話 サイランド再
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すよ」
「……。
楽しそうに話していたのは、新しく登場したゲームの話題だから……」
「それでもです」
真惟は牧石の言い訳を封じ込める。

「牧石さんは、お兄さまほどではありませんが、女心がわからないということです。
別にすべてを理解することは求めませんが、デリカシーがない人だと思われない程度は理解してください」
真惟はまじめな表情で牧石を見つめる。

「……」
「さもないと、死ぬまで彼女がいない状態を貫くことになりそうです」
「……」
牧石はうなだれた。
たしかに、牧石は前の世界で彼女は存在しなかった。



「待ったか〜!」
「お兄さま!」
待ち合わせ場所に向かって来る人物からの声に、真惟は素早く反応する。
「おい、真惟、抱きつくな!」
「お兄さま成分の補給です。
私にはこれがないと生きていけません」
「おい、俺が死んだらどうするのだ?」

「私たち兄妹は、生まれたときは違っても、死ぬときは一緒と誓いました」
真惟は、1,800年以上前に使用された桃園の誓いの言葉を引用した。

「誓ってないから!」
当然のように、目黒は反論する。
「見解の相違についてと、微かに漂う香水の香りの持ち主につきましては、あとでじっくり話し合いますが」
「真惟、誤解だ。
マリヤとはぶつかっただけだ!」
視線が険しくなった真惟にたいして、目黒はあわてて弁明を試みる。

「なるほど、私よりも滝山さんのほうが良いと」
「偶然、補習で一緒になっただけだ、誤解だ」
目黒は無駄な抵抗だと、うすうす感じながらも、再度弁明を試みた。

「ええ、あとでじっくり話し合いましょう」
真惟は牧石に視線を移すと、
「今日は本当にありがとうございました」
真惟は、丁寧な挨拶を行うと、目黒の手を引っ張りながら待ち合わせ場所を後にした。
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