暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
レベル4 めぐろ の いもうと
第1話 飛行船
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だった。
「牧石、何を考えているの!」
樫倉には、テレパシーの能力はなかったが、おそらく、そのような意味のメッセージを送っているのだろうと牧石は思った。

「目黒よ、なぜ滝山さんがここにいる?」
牧石は、滝山と一緒になって会話をしている目黒を問いただす。

「それはだな、……」
「牧石よ、どうして目黒に質問するのだ?」
目黒が答えを言う前に、迫川と一緒に登場した福西が、牧石に質問する。

「?」
「その質問は、滝山さん本人に聞くべきではないのかね?」
福西は、まじめな表情で答える。
「え、えっと……」
牧石は初対面の滝山さんへ質問しようとしたが、緊張のあまり言葉が出ない。
そんな牧石を助けてくれたのは、
「マリヤからの話では、寂しそうに俺が遊園地のことを話していたから、日頃の感謝の気持ちを込めてついてきた、ということらしいのだが……」
という、目黒が何ともいえない表情をしながら回答し、滝山はうれしそうに頷いた。

「なるほど……」
福西は納得し、

「良かったね、修司くん」
と、迫川は心の底から目黒を応援し、

「……」
樫倉は、「せっかく楽しみにしていたのに、横から獲物を奪うつもりなの」という視線を、滝山に向けてとき放ち、

「このメンバーで、僕がひとりぼっちになったら、間違いなく泣ける自信がある……」
と、牧石は確信する。



それでも、牧石は自分が提案した事を自覚していたので、全員に視線を移しながら、
「集合時間より少し早いが、全員がそろったので……」

出発しようという言葉を、遮るような大きな声が牧石の背後から聞こえた。
「ごめーん、まった〜」
と、言いながら、こちらに駆け寄ってきた女の子がいた。

メンバー全員が、
「誰この子?」
という、表情をするなかで、
「・・・・・・真惟(まい)、どうしてここにいる?」
目黒だけは、少し困ったような表情をしながら、女の子に質問する。

「あたしは、お兄ちゃんについてきたのだ」
女の子は、そう宣言すると目黒の腕にからみつく。
「真惟よ。
俺が出かけるときに、『ついてくるなよ、絶対についてくるなよ!』と、言ったはずだが?」
「うん、それって『ついて来い!』という意味だよね、お兄ちゃん!」

この世界でも、あの三人組のお笑い芸人達の人気は高かった。

「俺は芸人じゃない。
それに真惟よ、暑いから離れてくれ。
あと、みんなを前にして言うべき事があるだろう」
目黒は、からみついてきた女の子の腕をふりほどくと、女の子の頭に左手を乗せて、手を広げた右手を牧石達に向けて左から右へ動かす。

「黒井真惟(くろい まい)です。
お兄ちゃん共々、よろしくお願いします」
女の子は、「ぺこり」という擬音が出そう
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