第6話 読むこと
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難を極めるため、現実的ではなかった。
「CPUに心があるのか」、という哲学的な問題については、脇に置くとして、登場人物のCPUには、独立した思考エンジンが搭載されている。
これもサイキックシティが、生み出した成果の一つであるが、人間の思考をそのまま模すことに成功したといわれている。
もし、成功したのであるならば、思考エンジンを反映させる体さえあれば、人間と同等のロボットが生み出されるはずである。
しかしながら、サイキックシティ内にそのようなロボットが存在するという話を聞いたことがないため、存在しないのだろう。
もっとも、人間と変わりがない水準であれば、だれも気づかないため、すでに存在している可能性が否定できないのもサイキックシティの恐ろしい所ではある。
そのような高性能のCPUに対して、思考をきちんと読み込むことで、勝利に近づくことができる。
もっとも、相手の思考を読むだけでは倒すことはできないので、わざと相手の思考を限定させるために、特異な行動を行うことも求められる。
こうして、牧石は「超能力者が魔法世界に召喚されたようです」で鍛えられた能力「相手の考えを読みとる力」を手に入れたはずだった。
はずだったというのは、現実世界でまだ試していないからである。
透視能力と同様、この能力に対する対応については対応策が施されている。
サイキックシティで販売されている、対サイコメトリーアクセサリーというのが一般的に売り出されているもので、携帯電話のストラップと同様の大きさで、レベル5までの超能力者からのサイコメトリーを防ぐことができるというものである。
牧石も携帯電話のストラップとして装着させている。
もっとも、この装置にも欠点が存在する。
直接、相手に接触した場合、対サイコメトリー効果が発揮されないということだ。
牧石も、一度磯嶋から簡単な理論を聞いたのだが、理解ができなかった。
とりあえず、本番前にきちんとサイコメトリーを行うことができるか確認する必要があった。
「今日は早く帰ります」
「牧石さん気をつけてね」
ミナコはサイランドを後にする牧石に、手を振って見送った。
とはいえ、牧石に確かめる方法を持たなかった。
牧石は、迫川の顔が頭に思い浮かぶ。
迫川は誰に対しても過剰ともいえるスキンシップをとるので、いつも彼女のように振る舞えば容易にサイコメトリーが使えるのにとおもった。
「まさか、迫川さんはサイコメトラーなのか?」
牧石は、一瞬そんな考えが頭をよぎったが、首を振る。
それならば、最初からこんな行動をとるはずがないと。
牧石は、早めに研究所に戻って、早めの夕食を食べてから考えることにした。
「お疲れさん、今日は早かったね」
「小早川さん、い
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