暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第5話 超能力者が魔法世界に召喚されたようです
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
人の足跡しか残されていない。


「フェゾ君か。
この魔法世界においても、私がかつて生活していた世界の基準に照らしあわせても、キミの行動はあまりにも特異だ」
40を過ぎ、全身に疲労をため込んだ姿を見せている白衣を着た女性は、学術的な好奇心で目の前のフェゾに話しかける。
「貴女が、運命の人?」
フェゾは、これまでに出会った女性と変わらぬ笑みで女性に話しかける。

「だといいのだが」
女性は、自重するかのようにうっすらと笑みを浮かべると、
「20年ほど前に言われたら、頬を赤く染めたかもしれない。
10年ほど前ならば、相手の考え方をしっかりと知った上で、返事を考えたかもしれない。
5年ほど前ならば、多少の妥協と共に、差し出された言葉を受け入れたかもしれない。
時間とは残酷なものだと思わないかね?」
同意を求めるかのように、フェゾに話しかける。
「受け入れてくれないのですか?」
フェゾは少し悲しい表情を、女性に向ける。

「年寄りをからかわないで。
これまで、研究一筋で生きてきたけれど、それ以外は何も知らないお嬢さんのままという訳にはいかないわ」
「それでも、私の前に立つということは、相手をしてくれるということですね?」

「そうね。
戦いの相手なら、私でも務まるようだから」
女性は白衣のポケットから、ビー玉のようなものを地面にばらまいた。

「フェゾ君の戦いは、知っている。
私を一人の女性として認識してもらえるのなら、この戦術も使えるようね」

ビー玉のようなものは、周囲に白い煙を放ちながら巨大化していく。
「……これは?
召喚術!」
「噂に違わぬ博識ぶりだね。
君がここに現れるのを聞きつけて、招待したのさ」

「君たちは!」
「私から純潔を奪った罪は重いわ」
女性の前には、いつも身につける白い法衣の代わりに黒い法衣を纏った僧侶、レーシャがいた。

「君を倒すために、KATANAの代わりに魔剣を入手したわ。
あたしが受けた屈辱を晴らすために!」
レーシャの右隣には、まがまがしい呪いを発する、赤と黒の双剣を手にした、カレンが現れた。

「さて、先ほど別れたばかりで、登場するのはどうかと思ったのだがね。
すぐに復讐がかなえられるという僥倖には替えられぬものさ」
STAGE6で戦ったばかりの、魔法少女アーニャが先ほどと同じ服装で登場する。
だが、先ほど戦った時には黒髪黒目だったのに、銀髪赤目に変化していた。
「自分に課した制限を解除したときは、髪と目が変わるのだよ」
アーニャは、フェゾに解説してくれた。

「私たちを前にしても、さすがにそのレイピアを使わずにいられるのかしら?」
「問題ないとは、いえないが」
フェゾは、レイピアを後ろに投げ捨てると、
「自らの信条か
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ