第2話 保健委員会
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いた「とある」アニメでは、夏休みから物語は始まっていた。
今のところ、原作の登場人物とは出会っていないが、急に巻き込まれる可能性も否定できない。
最低でも、レベル4まで上げれば逃げることはできるだろうと思っていた。
戦闘に参加する?
勝てるのか、あんな連中に?
俺は首を大きく左右に振る。
正直、原作の主人公のように戦うことなんて無理だと牧石は思っていた。
磯嶋は、研究室の中で資料を広げて考えていた。
資料といっても、研究の資料ではなく、海外旅行のパンフレットのようである。
「北イタリア7日間」、「シドニー7日間」、「赤ヘル応援7日間ツアー」、「リオネジャネイロ10日間」「ハワイ5日間」という文字が牧石の視覚に飛び込む。
よく見れば、海外旅行では無いパンフレットも含まれているようだ。
「私に何か用かしら?英雄さん」
磯嶋は、牧石の姿を確認すると、立ち上がり冷たい口調で話しかける。
「……、まだ怒っているのですか?」
牧石は、磯嶋をなだめるように声をかけた。
牧石は先日、目黒に巻き込まれるように詐欺事件の解決に関わった。
研究所への帰宅が遅くなった理由について、磯嶋に説明したのだが、
「何、事件に巻き込まれているのよ!」
と、怒られた。
「え、えぇ!」
牧石は驚いた。
自分は、ただ巻き込まれただけなのに。
牧石は、状況説明を繰り返す。
「……。
言いたいことはわかるわ。
でも、私はあなたを失いたくないのよ」
さすがに、生死に関わる事件なら逃げるつもりだと、牧石は磯嶋に説明したが、
「……ごめんね。
あなたを止められるわけがないのに。
でも、約束して。
姉さんから離れないって。ね?」
「……。
僕は、磯嶋さんの弟ではありません」
牧石がつっこみを入れた時から、磯嶋は不機嫌になった。
「……用が無いなら、行くわよ」
磯嶋は、あの時と同じ不機嫌な表情で部屋から出ようとする。
先日、事件に巻き込まれたことによる対応策を、牧石、磯嶋、事務局長、北川副所長と協議したときは落ち着いていたので、磯嶋の機嫌が収まっていないことに驚いていた。
しかし、牧石は研究室から出ようとする磯嶋に声をかける。
「しばらく、研究を中止するって、本当なのですか?」
最近研究所内で広まった噂の真偽を確認するために。
牧石がその噂話を聞いたのは、食堂で働く小早川さんが、夏期限定の新作メニューを考案する為に買い物をすることをつきあった時の帰り道であった。
小早川さんの話によると、牧石が透視能力を知らない間に酷使したこと、透視能力を制御するために過剰な訓練を積んだことから、しばらく訓練を休んだほうがいいという話だった。
確かに牧石は、レベル3にあがった時に
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